マンション管理規約に違反して、旅行客を有料で泊める「民泊」を営んだとして、大阪市中央区のマンション管理組合が3日、計5部屋の区分所有者や仲介業者らを相手取り、民泊営業の差し止めと約3200万円の損害賠償を求める訴訟を大阪地裁に起こした。
原告のマンションは大阪ミナミの繁華街の中心に立地。その利便性から中国人旅行客らが頻繁に出入りするようになったという。組合側は「24時間騒々しく、住環境が乱されている」としている。

 訴状などによると、15階建てのファミリー向け分譲マンション。管理規約で民泊行為が禁止されているのに、昨年10月から今年5月にかけて、5部屋で延べ193日間にわたり民泊営業が行われた。

 うち2部屋は民泊仲介で有名な米ウェブサイト「Airbnb」(エアビーアンドビー)や、中国のサイト「自在客」で紹介されているといい、組合側はこれらサイト上での掲載差し止めも所有者らに請求している。

 また民泊利用者がエレベーター内で喫煙したり、上階からごみを投げ捨てたりする迷惑行為が常態化していると主張。利用者にオートロックの解除方法も伝えているとして「マンション内の防犯機能を大きく低下させる」と訴えている。

 ■「もう辛抱できない」マンション住民の男性嘆く

 キャリーケースをひいた大人数の集団が、騒がしく敷地内になだれ込む。エレベーター内で喫煙し、壁に押しつけて火を消す…。外国人利用客のマナーの悪さに「もう辛抱できない」と訴訟の舞台となったマンション住民の男性は嘆いた。

 訪日観光ブームで、3年ほど前から民泊利用者が目につくようになった。このため管理規約を改正して民泊禁止を明文化。違反した所有者に対し、1日5万円の違約金を徴収するという罰則も設けた。建物内外に禁止の張り紙もしたが一向に効果はなく、提訴に踏み切らざるを得なかった。

 原告弁護団によると、違法民泊を行っている5部屋のうち少なくとも3部屋は中国人や中国の法人の所有とみられる。うち1部屋に管理組合が警告すると、代理人を名乗る中国人は「宿泊しているのは所有者経営の企業の従業員で、民泊ではない」と述べ、社宅利用であると主張した。

 大阪市は昨年10月から、国家戦略特区の規制緩和として民泊を導入した。市が認定した民泊施設は184物件に上っているが、今回の5部屋はいずれも認定対象になっていない。違法民泊の通報窓口に寄せられた件数も3千を超えており、住民とのトラブルも増加しているとみられる。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170804-00000526-san-soci

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