北朝鮮が26日早朝、江原道旗対嶺(カンウォンドキッテリョン)付近から日本海に向けて短距離の飛翔体(ひしょうたい)を発射したのは、韓国で31日まで実施されている米韓合同軍事演習に対抗した独自の軍事演習の一環である可能性が高い。
ただ、北朝鮮側が米国を過度に刺激するのを避けるため米領グアム沖への弾道ミサイル発射を自制したともいえ、朝鮮半島情勢の沈静化に向けた関係各国のにらみ合いは続く。

 今回の飛翔体について、米太平洋軍は当初、打ち上げられた3発のうち「1発目と3発目は飛行中に失敗、2発目は直ちに爆発した」との分析を発表していた。しかしその後、2発は失敗でなく約250キロ飛行したと修正、また安保理決議違反となる「弾道ミサイル」ではなく、単なる「ミサイル」と表現を変えた。

 一方、韓国政府は「改良型で300ミリ多連装ロケット砲」と発表。韓国政府当局者は「北朝鮮のロケット砲は改良が次々に進められており、今回の試射によって飛距離を50キロ程度伸ばしたのではないか」と指摘。現在は分析段階で、数日後に米韓など関係国が協議して結論を出すとみられる。

 北朝鮮は7月28日の大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星14」発射以降、約1カ月にわたり実際の挑発行動を控えていた。今月9日に中長距離弾道ミサイル「火星12」4発を米領グアムに向けて同時に発射することを検討していると発表後も、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は「米国の行動をもう少し見守る」と態度を保留。トランプ米大統領は金委員長が「敬意を払い始めた」と指摘し、「何か前向きなことが起こり得るかもしれない」と、核・ミサイル問題進展の可能性すらほのめかし、緊張はやや緩んでいた。

 今回も、米韓が合同軍事演習を展開する中で対抗措置を取りつつ、必要以上に緊張を高めないように水準を調整したとの見方も出ている。韓国大統領府高官も今回の飛翔体について「ロケット砲であれミサイルであれ、ICBMではなかったことが重要だ」と指摘。今回の発射は通常の訓練の一環であるとみて、冷静な対応を求めている。

 ただ、北朝鮮側は、朝鮮労働党機関紙「労働新聞」(電子版)が26日、金委員長が軍の特殊作戦部隊を指導したと写真付きで大きく報道。金委員長は「軍はソウルを一気に占領し、南朝鮮(韓国)を平定する考えを持つべきだ」と訴えている。25日付論評も「合同軍事演習の強行は、われわれに対する容認できない挑発だ」と批判。今後も緊張状態は維持しながら、場合によっては対抗措置に打って出る構えも崩していない。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170826-00000091-mai-int

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