落ちたのか 第二報以降も注意

 Jアラートの第一報の時点では、ミサイルが日本に落ちるかどうかはまだわかりません。飛んでいるミサイルの動きを政府が追い続け、領土や領海に落ちるかもしれないと判断すれば、「直ちに避難。ミサイルが落下する可能性があります」という第二報が流れます。そして実際に落ちたと推定されれば、「ミサイルが○○地方に落下した可能性があります。引き続き屋内に避難して下さい」という第三報が続きます。第二報、第三報は、ミサイルの軌道予測をふまえ第一報が流れたのと同じ地域に伝わります。

 ミサイルが領土や領海ではなく、手前の日本海や東シナ海、または日本列島を越えて太平洋に落ちるかもしれません。日本上空を通過した、あるいは領海外に落ちたと推定される場合は、第二報でその旨を伝え、「不審物を発見した場合は近寄らず警察や消防へ連絡して下さい」と流れます。領土や領海にミサイルの本体が落ちなくても、分離した一部が落ちるかもしれないので、「不審物」に注意をというわけです。

 このように、Jアラートは命に関わると言える情報です。8月29日にミサイルが東へ飛び太平洋に落ちた時は、北海道、東北、北関東など12道県で避難を呼びかけましたが、16市町村で防災行政無線や登録制メールが作動しませんでした。あってはあらないことで、菅義偉官房長官は翌30日の記者会見で「消防庁で原因特定と再発防止を徹底し、同種の問題が他の自治体で生じないよう情報提供していく」と述べました。
もし落ちてしまったら――

 領土や領海には落ちなかったとわかれば一安心ですが、落ちてしまったらどうするか。その場合は、第二報で流れた「○○地方」を中心に対処が必要です。最初に述べたように、ミサイルの弾頭に何が積まれているかで被害は大きく変わります。実験なら空洞ということもあるでしょう。ただ、もし通常の火薬や、さらには核兵器や生物化学兵器といった大量破壊兵器だったら――。

 内閣官房では「テレビ、ラジオ、インターネットなどを通じて情報収集に努めて下さい。また、行政からの指示があれば従って、落ち着いて行動して下さい」としています。「行政からの指示」は、政府が引き続きJアラートを使ったり、着弾点付近の市区町村が独自の情報を防災行政無線で流したりすることが考えられます。

 かつてない事態に直面しても、できるだけ混乱や不安が広がらないよう、私たちは情報の把握に努めないといけません。行政機関には、互いに連携、調整して速やかに被害に対処しつつ、地域に応じて適切に情報を発信することが求められます。

 最後に一言。ミサイル落下と地震や津波への対応は、もしもの時に備えるという面で似ていても、性質はかなり違います。ミサイル落下は日本への攻撃とみなされかねない話です。そこからもし戦争になれば、二発目、三発目が落ちてくるかもしれません。

 私たち自身の努力でその攻撃による被害をいかに小さくするかは、堅く言えば「民間防衛」という活動になります。太平洋戦争中に米軍の空襲に備えて家で夜に明かりを消したり、防空壕に逃げたり、バケツリレーの消火訓練をしたりといったことがありましたが、それと同じ考え方です。

 戦後70年以上経った今、日本がどうしてまた「民間防衛」への備えを迫られる事態になっているのか。外交と安全保障政策を駆使して東アジアの平和をどう確保するのかという、自然災害とは別の重い課題が突きつけられているのです。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170904-00000002-withnews-soci&p=3

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