マティス米国防長官と韓国の宋永武(ソン・ヨンム)国防相は5日、電話で会談し、核実験を強行した北朝鮮の挑発を受け米軍の原子力空母や爆撃機などによる大規模攻撃に向けた「戦略兵器」を今後、朝鮮半島周辺で定期的に展開させる方針を確認した。日米防衛相も6日に電話で会談し、北朝鮮への圧力強化で一致した。海上自衛隊と米海軍は電子情報を収集する偵察機による共同訓練を東シナ海で実施。海洋進出を続ける中国に加え、北朝鮮への牽制(けんせい)の意味合いがある。

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米韓国防相は、米韓合同軍事演習も増強するとしている。空母の巡回などについて、韓国国防省は「北朝鮮の挑発を抑制し、合同防衛体制を一層強化する」目的と説明している。マティス氏は韓国を防衛するとの米国の約束に変わりはないとし、「北朝鮮がどんな攻撃をしようとも、(米軍の)『圧倒的な対応』に直面する」と述べたという。

 小野寺五典防衛相とマティス氏の電話会談では「目に見える形で圧力をかけ続けていく」方針を確認した。小野寺氏は核実験について「過去の実験に比べ、はるかに大きく、より重大かつ差し迫った新たな脅威だ」と指摘した。

 マティス氏は「断固として許されるものではない」と応じ、「核の傘」を含む日本防衛に対する米国のコミットメント(関与)は揺るぎないと強調した。地上配備型の「イージス・アショア」導入など、日本の弾道ミサイル防衛強化に積極的に協力する考えも重ねて示した。

 小野寺氏は韓国の宋国防相とも電話で会談し、「北朝鮮から非核化に向けた具体的な行動を引き出すためには圧力強化が必要だ」と述べた。宋氏は「国際社会と一致して強い対応を取る」と応じた。小野寺氏は米太平洋艦隊のスウィフト司令官らとも防衛省で会談した。7日まで行われる海自と米海軍の共同訓練は、収集した目標の情報を交換する内容。実施を公表したのは初めてで、日米連携の着実な深化を示す狙いがありそうだ。

 訓練に参加したのは海自のEP3電子戦データ収集機とOP3C画像情報収集機、米海軍のEP3E電子偵察機。EP3は艦艇や潜水艦が発するレーダーや通信の電子情報を遠方から探知・収集することで動向をつかんだり、艦種・能力の識別を行う。OP3Cは通常の哨戒機よりも遠方から画像情報を収集する能力がある。安倍晋三首相は6日、北朝鮮について官邸で記者団に「今の道を進んでいくのであれば明るい未来はないと理解させ、現在の政策を変えさせなければならない」と強調した。