日本政界の混乱の合間に、米朝がにわかに一触即発になってきた。北朝鮮の次なる一手は、太平洋上でのミサイル水爆実験だという。朝鮮労働党幹部の生々しい声を、独占でお伝えする。

「トランプは一線を超えた」
 先月9月は、アメリカと北朝鮮の対立が最高潮に達した「悪夢の月」だった。

 3日に北朝鮮が、6度目の核実験(水爆実験)を強行。15日には、北海道上空を通過する「火星12型」中距離弾道ミサイルを発射した。

 こうした事態に、トランプ米大統領が19日の国連総会で、金正恩委員長を「ロケットマン」と呼び、「完全破壊する」と警告。2日後の21日には、今度は金正恩委員長が前例のない声明文を発表し、「超強硬的対抗措置」を予告した。

 さらに、国連総会出席のためニューヨークを訪れた北朝鮮の李容浩外相が、「太平洋で水爆実験を行う」ことに言及――。

 そんな中、本誌は北京と平壌を往復する人物に託す形で、朝鮮労働党幹部のホンネを聞いた。以下は、その一問一答である。

 ――エスカレートする一方の米朝対立だが、金正恩政権の内部では、アメリカとの対立の激化を、どう捉えているのか? 
 「これまでわれわれは、米帝(アメリカ)がわが国に対して、国連安保理を通じて、もしくは独自に経済制裁を科すたびに、怒りにかられてきた。だがそれでも、最後の一線は保ってきた。

 だからこそ、8月(14日)に元帥様(金正恩委員長)が(朝鮮人民軍)戦略軍司令部を視察された際、『(アメリカの)行動をもう少し見守ることにしよう』と仰ったのだ。

 だが、トランプが国連総会で行った、あの憎むべき演説で、すべてが変わった。あの演説は、わが国に対する『宣戦布告』に等しい。あの日を機に平壌は、もはや米帝との戦争しか道はないという雰囲気に一変した。

 共和国(北朝鮮)の国民は、全員が準軍人と言ってもよく、戦争の準備は常に整っている。たとえ中国に逃亡する国民が少々いたとしても、その者たちは思想が固まっていない連中なので、勝手に出て行けばよい」

 ――具体的には、トランプ大統領の国連演説のどの部分が、北朝鮮をして「宣戦布告」と思わしめたのか。

 「それは2点ある。第一に、元帥様の声明の通りだ。すなわち、『わが国の完全破壊という、歴代のどのアメリカ大統領の口からも聞いたことがない、前代未聞の無知蒙昧かつ狂人的な言葉を吐き続けた』ことだ。

 もう一つは、(23日に)李容浩外相が国連総会の演説で述べたように、『わが国家の最高尊厳(金正恩委員長)を、ロケットになぞらえて冒涜した』ことだ。このような最高尊厳に対する冒涜も、これまで歴代のどのアメリカ大統領の口からも、聞いたことがない。

 トランプは、わが国家及び国家の最高尊厳を、国連総会という世界最高の公の外交舞台で踏みにじったのだ。これは、それまでのようにトランプが、自分のオフィスで即興的に、周囲に向かって吐き捨てていたものとは、根本的に意味合いが異なる。まさにわが国に対する宣戦布告だ」

 ――それで北朝鮮としても、前代未聞の金正恩委員長の声明という形を取ったのか? 
 「あのトランプ発言を聞いて、怒り心頭に発した元帥様のご心情は、察して余りある。

 それで元帥様は、直ちに最高幹部たちを招集して、トランプ演説に対抗する声明文の作成に取りかかった。草稿が完成してからも、元帥様ご本人が入念に推敲されたと聞いている」

 ――その声明文には、「われわれは史上最高の超強硬的対応措置の断行を、慎重に考慮していく」と書かれている。

 金正恩委員長が言う「超強硬的対応措置」とは、具体的には何を意味するのか? 
 「それは李容浩外相が、(9月22日に)ニューヨークで発言しているではないか。『過去最大の水爆実験を太平洋上で行うことになる』と。李外相の発言の通りだ」

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20171016-00053135-gendaibiz-kr