北朝鮮問題でアメリカはどうすべきなのか?
結論を言えば、核・ミサイル開発を止めさせたいなら「話し合わずして目標に到達する方法はない。」
(I don’t know how you get there if you don’t talk to them.)

今月初めにワシントンで開催されたシンポジウムに参加した六者協議の元米代表ジョセフ・デトラニ氏の言葉を借りたが、これが現実である。
問題は、いつどういう状況で話し合いを始めるかである。
前提条件なし、議題の設定も曖昧なまま、闇雲に話し合いを始めることはできない。

北朝鮮は、朝鮮半島の非核化を前提にした話し合いは拒否していて、彼らを核保有国として認めることや米朝平和条約を締結と、アメリカによる金正恩政権の安全の保障などを求めている。
前提条件なしの話し合いでは北朝鮮の思う壺で、こちら側から見れば“悪行に報酬を与える”ことになるからである。

この“悪行に報酬を与える”ことはできないという考え方は、ブッシュ政権の頃から、アメリカ政府の担当者らがしばしば口にしていたもので、北朝鮮に数々の約束を反故にされてきた反省の上に立つ考え方でもある。
つまり、かつての六者協議がそうであったように、話し合いはあくまでも朝鮮半島の非核化を目指す為でなければならないということだが、しかしこれでは北朝鮮がイエスと言わない。

要するに、双方が建前を押し通すと話し合いは始まらないのである。
そして、そうこうするうちに北朝鮮の核・ミサイル開発が急速に進み、現在に至ったのである。
「アメリカは、”交渉”の準備も”それ以外”の準備も万端整っている」
この20年ほど、北朝鮮はアメリカに新政権が誕生すると必ず挑発を行ってきた。新政権の対応をテストする為であるが、オバマ前政権は“戦略的忍耐”と称して、対北朝鮮政策という意味では8年間ほとんど何もしなかった。その反動が、今噴出しているとも言える。

アメリカのティラーソン国務長官は、先月末北京訪問中の記者懇談で、“実験の停止”は状況を落ち着かせるのに役立つと述べ、本格的な話し合いを始める前に北朝鮮が“誠意”を見せるよう求めたと解釈できる発言をした。しかし、今週に入って、北朝鮮側はCNNに対し、当局者が「トランプ政権と交渉を始める前に、我々はアメリカの攻撃に対する防衛能力と反撃能力を保持していることを示したい。」と述べ、さらなる実験を強行する考えを示している。また、アメリカ側も在韓米軍が兵士の家族らの退避訓練を23~27日に実施すると発表するなど、また少し緊張が高まっている。

だからこそ、中国の役割は一層重要で、CIA朝鮮ミッション・センターのヨン・スク・リー氏が、シンポジウムで「歴史的に見れば、このままだとアメリカの北朝鮮に対する攻撃が不可避だと確信した場合にのみ、中国は北朝鮮に最大限の圧力を掛けてきた。・・・だからこそ、我々の決意をデモンストレートするのは重要である。」と発言したように、中国に圧力を掛けるのも大事ということになる。

トランプ大統領は、13日ホワイトハウスで「交渉になるなら、その用意はある。しかしそれ以外の事態に発展するなら、かつて無いほどその準備も出来ている。」と、またも刺激的な発言をしている。

 折しも、北京では、18日、共産党大会が始まったばかりである。11月には、トランプ大統領が日中韓他アジアを歴訪する。権力基盤をより一層固める見込みの習近平主席との話し合いの行方が、これ以上無い程注目される。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171019-00010000-houdouk-kr