「週刊文春」誌上で展開した「中国猛毒食品」キャンペーンは、読者から大きな反響を呼びました。取材班の一人だった徳山大樹記者が近著 『怖い中国食品、不気味なアメリカ食品』 (奥野修司氏との共著、講談社文庫)で書ききれなかった「潜入取材」の内実を、衝撃的な写真とともに明かします。前回の 「週刊文春記者が見た! 危険すぎる中国産食品#1 漬物編」 に続く第2弾は「海産物製品」です。

 山東省の現地取材で、水産加工物の生産地・文登市(現文登区)に来ていた私は取材予定だった市場周辺の飲食街を、通訳を担当してくれた日本人ジャーナリスト・林真宣氏と訪れた。そこで「九州拉麺」と書かれた店の看板を見つけ、目が釘付けになってしまった。

 よく見ると、看板に描かれた絵は、有名な日本のアニメキャラにそっくりなのだ。

 どう見ても、「一休み」の姿勢をとった室町時代のとんち坊主だ。彼の頭に、髪を描き足してコック帽を被せ、ラーメン丼を持たせている。中国には、こうした悪質なニセモノや劣悪な商品が当たり前のように並んでおり、驚きの連続だった。

日本の食料庫」山東省の市場に度肝を抜かれた
 翌朝、市場を見学した。果物や肉類なども数多く並んでいたが、「山東省最大の魚の生産基地」と呼ばれる港町・石島管理区から運ばれてくる豊富な魚介類がウリだという。

 肉類の売り場を見ていくと、主に豚肉や鶏肉が置かれており、大量のハエがたかっている。どす黒く変色した木の板の上に生レバーを置いている肉屋もあって、度肝を抜かれた。

 ゴミと思われるチラシの上に並ぶ豚足は売り物なのか、もはやよくわからない。

 海産物売り場へ足を向けると、ステンレスやプラスチック製のバットに氷は一切敷かれず、常温で商品が並べられていた。そのため、魚の腐ったような異臭が漂っていた。新鮮なイカは鮮度に応じて無色透明から白、ピンクへと順番に色が変化してゆくという。写真のイカは鮮度が落ちて傷み始めていた。新鮮な魚介類が集まるとされる市場でもこの有様だ。

 石島の食品加工場へ潜入してみると、さらに衝撃的な光景を目の当たりにした。
日本向けに冷凍イカリングなどを年間5000トン出荷する加工場
 訪れたのは、石島の中心街から約30km郊外にある小さな加工場だ。30人ほどの従業員が黙々と作業を行っていた。

「石島で取引先を探しています」

 潜入取材のため、当然ながら記者だと明かすことはできず、商談に来たというポーズで私たちから挨拶すると、色黒で、頭髪の薄い社長が機嫌よく出迎えてくれた。商売っ気の強い人物らしく、いきなり日本と直接取引がしたいと訴えてきた。

 厚労省の2016年度「輸入食品監視統計」によれば、魚の冷凍食品の輸入届出量は、1位が中国で15万3846トン。山東省でも多くの水産加工物が日本向けに作られている。

 加工場の社長によると、日本向けに冷凍のイカリングやイカの加工品、白身魚のフライを年間5000トンも出荷しているという。

 こういった日本へ輸入される中国産の海産物製品は、安価な飲食店やお惣菜、弁当の食材に使われることが多い。冷凍食品では中国産のイカがよく使われている。

 ところが、加工場の従業員は、私服姿でマスクもしていない。古くなったピンク色のイカは黒く汚れた軍手を使ってさばかれ、錆びたバットへ入れられていた。加工場内は、生臭く、清潔な印象は微塵もなかった。

 続けて、切ったイカを添加物に漬ける工程も見せてもらうことに。大きな金属製の容器に入れられた添加物の溶液に漬けこんだ後、イカリングのサイズにカットされるそうだ。

 イカ社長から「酸化防止剤です」と説明されたが、刺激臭がしたのでふと気になり、イカが入っていない隣の容器に指を入れて味をたしかめようとした瞬間、「危ない! それを絶対口に入れるな!」とイカ社長に怒鳴られた。

「その溶液に浸すと、イカが膨れて見た目がよくなるんだ。高く売るためだよ。でも、その溶液は口にしてはならない。自分なら形が悪くても添加物のないイカを食べるからね」

 日本向けに大量の水産加工品を作っておいて、イカ社長は悪びれもせずこう言い放った。

 実際に添加物の効果を見せてもらった。下の写真をご覧いただきたい。

 左が無添加、右がさきほどの添加物に浸したイカリングだ。あきらかに形や色ツヤが違う。とても酸化防止剤とは思えない薬品に漬けられているのだから怖い。

次回は:なぜか「生産地 青島」と書かれたダンボールが……

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20171023-00004635-bunshun-int&p=2