韓国南東部で15日発生した地震は同国の観測史上2番目の規模となるマグニチュード5・4を記録した。震源地の浦項(ポハン)市では今も多くの被災者が避難所暮らしを送る。とはいえ、日本の震度階級では推定で「5弱」(日本の研究者)とされ、日本ではたびたび発生する規模。地震が少ない韓国では、今回の地震を契機に避難所運営や建物の手抜き工事などこれまで見えなかった問題が顕在化している。

 18日、浦項市の興海(フンヘ)体育館は約700人の被災者がすし詰めとなって寝泊まりしていた。「自宅の壁にひびが入りトイレが壊れた。余震も怖い。いつ元の生活に戻れるのか」。近くのマンションに住む李再根(リジェグン)さん(82)は不安を口にした。

 体育館には大量の支援物資が積まれ、行政職員やボランティアが忙しく立ち働いていた。だが避難所の全体像を取材しても要領を得ない。行政はどうやらボランティアはおろか、被災者全員の把握もできていないもようだった。被災者からは「支援物資は食料品が中心で、防寒具など生活用品が足りない」「自宅の被災状況など行政から情報が入らない」などと不満が漏れた。
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どの避難所も運営は混乱気味

 同市内では現在、約10カ所の避難所に計約1300人が身を寄せる。地元紙記者によると、どの避難所も運営は混乱気味だという。「韓国では大規模な避難所を運営した経験がない。行政が部署ごとにばらばらで動くなど課題は多い」

 市内を歩くと、建物の被害は一部地域に限られる。ただ、高層マンションが立ち並ぶ一帯で揺れが激しかったことから避難者が増えたとみられる。

 1階が駐車場で2階以上を柱で支える「ピロティ」様式のマンションで、柱が破損して居住困難となった事例が少なくとも7件確認された。現地を視察した東明大(釜山市)の林楠基(イムナムギ)教授(建築工学)によると、その多くは鉄筋や柱の数が足りないなど施工業者の手抜きが原因とみられるという。林教授は「行政の建築確認の方法も含め、今回の地震を教訓にしなければならない」と強調した。
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浦項地震

 15日午後2時半頃、慶尚北道の浦項市付近にある断層が震源とみられるマグニチュード(M)5.4の地震が発生。約80人が負傷し、住宅被害は約2000件に上った。韓国では昨年9月にも慶州市で観測史上最大規模のM5.8の地震が起きるなど南東部で地震が続いている。周辺では計12基の原発が稼働中。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171120-00010004-nishinpc-int


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