初めて日本を訪れたアメリカのトランプ大統領は、安倍晋三首相と「ドナルド」「シンゾー」と下の名前で呼び合うなど友好ムードが目立ち、日本のおもてなしにご満悦の様子でした。しかし、首脳会談後の記者会見では「トランプ節」も炸裂させていました。通訳されなかったアドリブ発言から見える、トランプ大統領の「本音」とは?(朝日新聞国際報道部・神田大介)

「これまでの50年以上で最も深い絆」と自賛
 トランプ氏は5日から7日にかけて日本に滞在。演説や会合のほか、安倍首相とはゴルフも楽しみました。6日にあった首脳会談のあとの会見で、安倍首相が「半世紀を超える日米同盟の歴史において、首脳同士がここまで濃密に、そして深い絆で結ばれた1年はなかったと思います」と言うと、トランプ氏は「あなたの意見に賛同します」と応じました。

 また、日本を「本当にすばらしい国ですね。驚くべき歴史、文化、伝統、精神を持っています」と称賛。「先の選挙での偉大な成功をお祝いします。たいへんな大勝であり楽勝だったこと、まったく驚きません」とも話し、自民党の衆院選での圧勝を持ち上げます。

 さらに「日本人は成功し、街は活気に満ちています。みなさんは世界で最もパワフルな経済の一つを作りました」と言ったところで、ピタリと動きが止まりました。

「そうだね? 日本は2位」
 「みなさんは世界で最もパワフルな経済の一つを作りました。……我々に並ぶほどかどうかは知りませんが。たぶん違うと思います。そうだね? 我々はそれ(順位)が維持されるようにします。あなた(日本)は2位です」

 映像を見ると、トランプ氏は「最もパワフルな経済の一つを作りました」までは下を向いています。演台に置いた原稿を読んでいる様子です。しかし、読み上げた文章が気に入らなかったのか、しばし沈黙して顔を上げ、安倍首相の方を向きます。そして放ったのは、「パワフルな経済と言っても俺たちほどじゃないし、この先もずっとそうだけどな」という趣旨の発言。

 アメリカの新聞ワシントン・ポストはこのやりとりについて、「我々に並ぶほどかどうか」以下はアドリブだったと指摘。「そうだね?」は親が子どもに言い聞かせるようだったと書いています。

 この部分、日本のテレビ局が中継した際の同時通訳をいくつか聞きましたが、いずれもうまく訳せていません。同時通訳自体がきわめて難しいということもありますが、トランプ氏が文脈とまったく違うことを突然言い出したため、対応しきれなかったのかもしれません。

つづく

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171122-00000005-withnews-n_ame&p=1