天皇陛下が2019年4月30日に退位され、翌5月1日から新元号とする日程が固まり、改元に向けた政府内の調整が本格化する。明治時代に「終身天皇制」となって以来、天皇の逝去を伴わない初の改元となるため、新元号の決め方と公表時期が焦点だ。政府は新元号を18年夏をめどに公表し、十分な周知期間を設けて国民生活に支障が出ないようにする「事前公表」を検討している。

天皇逝去と新天皇即位に伴う即日改元の場合、元号を使った官庁や企業のコンピューターシステム改修、カレンダー・手帳の変更など、国民生活への影響が避けられなかった。しかし今回は退位の日が事前に決まっており、「これまでと違い、官民の準備期間に配慮ができる」(首相官邸関係者)のは大きい。菅義偉官房長官は1日の記者会見で新元号の公表時期は決めていないとしつつも、「国民への影響も考慮し、適切に対応する」と強調した。

 準備・周知にはできるだけ早い新元号の公表が必要だが、政府内には「改元まで間が空き過ぎると間延びする」「早い方がいいが、早過ぎてもよくない」との声も上がる。別の政府関係者は「終戦の日や沖縄慰霊の日などは避け、行事がない日の公表が望ましい」との見方を示した。

 その公表時期に大きな影響を及ぼすのは、新元号を決める手続きだ。


 1989年に「平成」を選定した際は、(1)政府が委嘱した漢籍などの複数の専門家からそれぞれ事前に複数の元号案の提出を受けておく(2)首相の指示を受けて官房長官が数個に絞る(3)各界の有識者による懇談会で意見を求める(4)衆参正副議長の意見を聞く(5)閣議で最終決定--という手順を踏んだ。

 天皇逝去の翌日から改元する必要があり、実際のスケジュールは、この手続きをわずか数時間で終える慌ただしいものだった。同年1月7日午前6時33分に昭和天皇が逝去したことを受け、同日昼から新元号の絞り込みを開始。午後1時3分から有識者懇談会、同23分から衆参正副議長の意見聴取を経て、午後2時36分には小渕恵三官房長官(当時)が記者会見で「平成」の色紙を掲げて発表した。時間の余裕がなく、有識者懇談会などが「形式的な議論にとどまった」との指摘がある。

 政府は今回もこの手順を踏襲する方針だが、前回は官房長官のもとで行っていた複数案への絞り込みを有識者懇談会などで行い、最終的に首相が決定することを想定。有識者懇談会などが、新元号を巡る本格的な検討の場になる可能性がある。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171201-00000094-mai-soci