トランプ米大統領がエルサレムをイスラエルの首都と認め、在イスラエル米大使館を商都テルアビブから移転する意向を示したことに対して5日、アラブ諸国は一斉に反発した。欧州や国連も、米国の一方的な行動だとして懸念を強めている。

 トランプ氏は5日、中東地域の大国であるサウジアラビアのサルマン国王や、イスラエルと国交があるヨルダンのアブドラ国王、エジプトのシシ大統領とも電話で協議し、移転の方針を伝えた。

 サウジ国営通信によると、サルマン国王はトランプ氏に対して「世界中のイスラム教徒の感情をあおり立てることになる」と強調。アブドラ国王も「地域の安定と安全保障に危険な影響を与える。米国が進める和平協議の障害になる」との声明を発表した。またシシ大統領も声明で「中東での平和の機会を奪いかねない措置で、地域情勢が複雑化しないよう求める」と訴えた。

 アラブ連盟(21カ国と1機構)も5日、「

と全イスラム教徒の権利に対する侵害」と批判し、「エルサレムを首都と定めると、地域と世界の平和や安定への深刻な脅威になる」との声明を発表。アラブ連盟は同日、パレスチナ自治政府の要請でエジプトの首都カイロで緊急会合を開催しており、「エルサレムの法的・政治的地位を変更するどんな手段も取るべきではない」と主張した。

 フランスのマクロン大統領も5日にトランプ氏と電話協議した後、「米国の一方的な首都の承認になるのではないかと懸念している」と述べた。欧州連合(EU)のモゲリーニ外務・安全保障政策上級代表は、「パレスチナ国家独立とイスラエルとの共存を目指す『2国家解決』を覆すいかなる行動も、絶対に回避されなければならない」と主張。国連のグテレス事務総長も「2国家解決を覆しかねない一方的な行動には警告を続けてきた」との声明を出した。

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