■北不安、NHL不参加、さらに強国除外…


 【ソウル=桜井紀雄】韓国で来年2月に開幕する平昌五輪は、国際オリンピック委員会(IOC)によるロシア選手団の除外決定で打撃が避けられなくなった。
北朝鮮が参加を表明しないことで、大会期間中の軍事的挑発を不安視する声もある中、文在寅(ムン・ジェイン)政権は、国のメンツを懸けた“祭典”で新たな難題に直面している。


 韓国の大会組織委員会は6日、「IOCの決定を尊重する」とした上で、「関係機関と協力し、参加選手らが最高の経験をできるよう努力する」との声明を発表した。組織委の李煕範(イ・ヒボム)会長は、聯合ニュースの取材に「ロシア選手団の参加が最善だが、IOCの決定に従うほかない」と述べ、ドーピングで潔白を証明した選手の個人資格の出場が容認された点は「次善の代案だ」との認識を示した。

 一方、韓国メディアは、冬季競技大国のロシアが国家としての参加が認められなかったことを深刻に受けとめている。北米プロアイスホッケーNHLが所属選手らの不参加を表明したことに続き、興行面で「大きな悪材料」となるからだ。

 韓国国民の関心が高まらず、低調だった入場券販売も先月、聖火リレーが韓国で始まったこともあり、ようやく目標の50%を超えた状況に冷や水を浴びせた。

 文政権は、五輪成功に国の威信を懸けて取り組み、特に北朝鮮に対し、対話の糸口にと再三、参加を呼びかけてきた。だが、金正恩(キム・ジョンウン)政権は明確な態度を示さず、出場枠を獲得していたフィギュアスケートのペアについても期限内に出場意思を通達しなかったと伝えられた。

 加えて、北朝鮮が先月末に新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射したことで、欧州の選手を中心に大会期間中の安全を不安視する声も再燃している。

 文大統領は、ICBM発射直後の安倍晋三首相との電話会談でも「五輪が安全に開催されることが、朝鮮半島だけでなく、北東アジアや世界の平和のために非常に重要だ」と強調するなど、五輪最優先の姿勢を見せている。

 文政権は、日米が懸念を示す中でも、北朝鮮に対し800万ドル(約9億円)相当の人道支援方針を決めている。「五輪不安」の高まりで、文政権が一層、北朝鮮の五輪参加に前のめりになるあまり、日米との協調体制が崩れれば、北朝鮮に“敵失”を与える事態にもなりかねない。

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