速度超過違反件数も減少

 高速道路における普通自動車の最高速度は100km/hですが、現在、新東名高速と東北道の一部区間において試行的に、これが110km/hへと引き上げられています。

新東名高速の試行区間は静岡県内の新静岡IC~森掛川IC間約50kmで、2017年11月1日(水)の試行開始から1か月あまり経過しましたが、この区間の交通状況はどう変わったのでしょうか。引き上げ後の事故や違反件数について、静岡県警高速道路交通警察隊に聞きました。

――最高速度引き上げ後の新静岡IC~森掛川IC間における事故件数や、違反件数はどれほどでしたでしょうか?

 11月の1か月間における事故は16件で、そのうち搭乗者がケガをした人身事故は2件です。違反件数は、速度超過違反が約200件、追越し車線を走り続けるなどの通行帯違反が約280件ありました。

――これら件数は多いのでしょうか、少ないのでしょうか?

 事故件数は前年同月より若干増えてはいるものの、当該区間が50km、上下線あわせ100kmという長さであることを考えると、そのなかで1か月間の人身事故が2件というのはきわめて少ないと認識しています。なお、速度超過違反、通行帯違反は、件数としては減少しています。

「実際の走行スピードも上がる」は杞憂!?
――速度超過の減少は、最高速度引き上げの効果なのでしょうか?

 一面ではそうです。導入前には、最高速度が10km/h引き上げられれば、それに伴って120km/h出していた人は130km/hに、130km/h出していた人は140km/hになると懸念する声がありましたが、そうはならなかったということです。もっとも、取り締まりを強化していますので、それが抑止力にはなっているでしょう。最高速度引き上げについて広報活動を行っているほか、テレビなどでも多く取り上げられたこともあり、安全意識が高まった結果でもあると考えています。

――走行実態はどう変わったのでしょうか?

 従来とほぼ変わっていないといえます。10km/h引き上げられたことを喜んで走っている人はおらず、皆さん自身の経験に基づいて、安全の範囲内で走行されているのでしょう。

――大型貨物自動車は最高速度が80km/hに据え置かれたこともあり、速度のギャップを心配する声もありましたが、この点はいかがでしょうか?

 速度差が原因の事故は起こっていないことからも、それほど影響していないと考えています。

※ ※ ※

 高速道路における速度規制の見直しは、2016年3月に警察庁から方針が発表されました。最高速度120km/hで設計された構造で、かつ実勢速度(実際にクルマが走っている速度)が100~120km/hという一部の高速道路について、規制速度を段階的に120km/hへ引き上げるという計画です。これにあたり、渋滞の発生が少ないことや、死傷事故率が低いことから、今回の新東名高速の新静岡IC~森掛川IC間と、東北道の花巻南IC~盛岡南IC間30.6kmでまず試行的に速度を引き上げ、全国の高速道路で見直しを進めるとしていました。なお後者の区間では、2017年12月1日(金)から引き上げが実施されています。

 新東名の最高速度引き上げ区間について、静岡県警高速道路交通警察隊は、「ふだん走り慣れていないドライバーが増える年末年始に向け、安全意識を高めるためにも、今後も取り締まりを強化していく」と話します。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171207-00010005-norimono-bus_all