悪化した中韓関係の“雪解け”を演出するはずだった韓国の文在寅大統領の訪中を前に、最新鋭迎撃システム「THAAD(高高度防衛ミサイル)」配備問題などで立場の違いが露呈、習近平国家主席との会談後の共同声明採択や共同記者会見は見送られる見通しとなった。南京事件から80年を迎えた13日、「共に抗日闘争を繰り広げた」と言及した文氏が習政権との連帯を打ち出すのに、対日共闘という歴史カードをさらに持ち出すかが注目される。

 「中国の安全保障上の利益を侵害しないよう格別に留意し、この点について米国の確約も得ている

文氏は中国で11日夜に放映された国営中央テレビのインタビューでTHAAD問題についてこう答えた。中国人キャスターはTHAAD問題で「どのような努力をするのか、中国の視聴者に示してほしい」と執拗に食い下がった。

 文氏は既に立場を表明しており、「新たな立場ではない」とかわしたが、韓国メディアによると、この部分はカットされた。「北朝鮮のような立ち遅れた国」「北朝鮮のミサイル能力は実に早い速度で高度化している」といった対北問題に絡んだ否定的発言も放映されなかったという。

 文政権は10月末の中韓合意でTHAAD問題は「封印された」とし、棚上げにすることで一致したとの認識だった。だが、習氏や王毅外相らは韓国側と会談するたび、合意で提示した、日米韓軍事同盟には発展させないといった「3つのノー」を再確認するよう求めてきた。対北防衛で日本との連携は不可欠であり、韓国の保守系世論は「主権を損なうものだ」と批判した。

 対北問題をめぐって習政権と文政権は「対話による平和的解決を目指す」という大枠では親和性が高い。ただ、トランプ米政権と共同歩調を取る文政権は、中国に一層の対北圧力を求める立場でもあり、文氏が14日の習氏との会談で、さらなる対北制裁に難色を示す習政権に圧力強化を促すのかも注目される。

 文氏は13日、在中韓国人らとの会合で「両国は帝国主義による苦難も共に経験し、共に抗日闘争を繰り広げ、厳しい時期を一緒に乗り切ってきた」と述べた。16日には、抗日拠点だった重慶の「大韓民国臨時政府」庁舎跡も訪れる。

 韓国にとって「抗日」の歴史は、中国との連帯を訴えるのに格好のカードといえ、朴槿恵前大統領も2015年9月、中国の「抗日戦勝70年」記念行事に出席し、習政権との連帯をアピールした。文氏が中国滞在中に習政権におもねる形で、対日「中韓共闘」の歴史を過度に持ち出せば、対北問題で連携すべき日本との間に亀裂を生むという前政権と同じ轍を踏む恐れがある。

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