陸上配備型の弾道ミサイル防衛システム「イージス・アショア」の導入が閣議決定された。秋田市の新屋(あらや)演習場と山口県萩市のむつみ演習場の2カ所が候補地に挙げられており、地元住民からは「なぜここなのか」「攻撃対象になるのでは」など不安の声が相次いだ。

 新屋演習場はJR秋田駅の西約5キロにあり市街地に近い。地元の街づくり団体で事務局長を務める佐藤毅さん(70)は「県などに『なぜ秋田か』『近隣住民は安全か』などを聞く場の開催を求めたい。配備に伴う事業で経済的効果があるかもしれないが、その先に背負うリスクも考えなければいけない」と話した。小学生と中学生の子どもを持つパート従業員、鈴木祐子さん(41)は「どんな影響があるか分からず、子どもが外で遊べなくなるのでは」と訴えた。

 一方、容認意見も。秋田市内で食堂を営む清水俊明さん(52)は「日本海にミサイルが飛んでくる現状を考えると、その対策として受け入れざるをえない」と理解を示した。

 新屋演習場から北へ約6キロにある同市の土崎(つちざき)地区には太平洋戦争時、製油所があり、米軍の空襲で200人以上が犠牲になった。戦禍を語り継ぐ「土崎港被爆市民会議」の伊藤紀久夫事務局長(77)は「空襲で製油所が狙われたように、イージス・アショアの配備により再び攻撃対象になる可能性があるのでは」と不安を口にする。

 山口県萩市では、情報の少なさに対する不安の声と、過疎化対策としての期待の声が入り交じった。

 市中心部から車で北東に約1時間の山あいにあるむつみ演習場近くの農業、内田忠さん(67)は「現時点では賛成も反対も、メリット、デメリットも分からない。この地域は人口減少に加え(65歳以上の)高齢化率が50%を超えている。自衛隊員が常駐すると活性化するのではないか。しかし電磁波との関係がどの程度あるのか不安はある」と話した。地元の70代男性は「不安はある一方で、過疎化も進んでいるだけに期待もある」と語った。

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