9月、今度は、設楽悠太選手(ホンダ)が、この靴でチェコのハーフマラソンを走り、日本新記録を叩き出しました。さらに1週間後、ベルリンで2時間9分台の自己ベスト。日本新記録を出すほど走って、翌週フルマラソンでまた記録が出る。あれはダメージが残らない凄い靴なんだ、と。

 実際に私も履きました。まず「アブナイ!」と思いましたよ。かかとが厚いのでまっすぐ立つと前かがみになり、勝手に走らされるんです。日本人は薄い靴でぺたぺた走るミッドフット走法に馴染みがありますが、この靴で走ってみると、足の前のほうから着地するフォアフット走法になる。必然的に、全速力で足をさばいていくことになるんです。

 私は人生でそんな走り方をしたことがありませんから、この靴では3kmまでしか走れないと思いました。全身の筋肉が対応できないんですよ。つまり、この靴でフルマラソンを走るには、いままで培った自分のフォームをすべて捨てて、作り直さなければならない。それには半年から1年はかかるだろう、と。

■ナイキの厚底靴を取り入れた東洋大学の戦略

 この靴が箱根駅伝に登場することはないな、と最初は思いました。なぜなら、この靴で箱根駅伝を走るための準備期間が足りないと思ったからです。大迫選手や設楽選手といった日本を代表するトップアスリートだからできることだと。

 ところが、2017年10月の出雲駅伝。なんと東洋大学と東海大学の学生がヴェイパーフライ4%を履いていたんです。特に、ナイキのサポートを受けている東洋大学は、下級生を中心にしたメンバーのほぼ全員。

 この靴で本番に臨むためには、実際に履いて走って体づくりをしければならない。東洋大学は、明らかに戦略にこの靴を取り入れてトレーニングしてきたわけです。

 しかも、下馬評ではあまり良くなかった東洋大学が、突然活躍しはじめた。全日本大学駅伝では、一時は首位に立つほどです。もちろん個々の力も伸びたのでしょうが、この靴とともにトレーニングしてきたことが大きく影響しているのでは……と。

そして、ほかの選手も真似するようになりました。価値観が変わり始めたわけです。箱根駅伝の長距離20kmを59分台で走るために、あの厚底は適した靴なんじゃないのか、と。

 ――では箱根駅伝でも、多くの選手がヴェイパーフライ4%で出て来る可能性があると? 

 そうですね。ただ、この靴は両刃の剣でもあります。自分がそれまで積み重ねてきたフォームが崩れますから、誰にでも合うわけじゃない。この靴で試合に出るなと指示した大学もあると聞きました。しかし、選手によっては履いてきますし、1区間20km以上という長距離でも、この靴ならダメージが少ないということがすでに証明されています。

 面白いのが、優勝候補と言われている青山学院大学は、ほぼアディダスなんですよね。先ほどの三村仁司さんが考えた走り方の靴なんです。そのために泥臭い練習をずっと積み重ねてきてもいます。

 東洋大学は、ヴェイパーフライ4%を取り入れたトレーニングによって、上位食い込みも「あり得るんじゃないかな?」というところまで来ている。ほかの強豪も力を伸ばしてきていますし、今年の箱根駅伝は、どこが勝つかわからないという面白さがありますよ。

 これまでは、青山学院大学を止める方法がなかったんです。なにかを誰かが変えないと、止められない。そこに出てきたのがこの靴です。

 青学が「青トレ」という体幹トレーニングによって、故障が減り、継続して練習ができることになったおかげで選手が底上げされ、箱根に勝つようになったように、東洋大は、厚底靴に代表される走り方を会得して、故障せずに長く速く走って勝つという方向に向かっているのかもしれない。

 日本では、「ブレイキング2」はあまり話題になりませんでしたが、やはり今回は凄い。バスケットシューズにエアが入ったときと同レベルのイノベーションです。ナイキとしては、箱根駅伝が日本で一番PRになる場だと考えていると思いますし、今回を機に日本でもフィーチャーされるかもしれません。

――ヴェイパーフライ4%という名前は、「4%速くなる」という意味が込められているそうですね。

 大迫選手は、この靴で4%速くなるかもしれないけれど、風の影響で6%遅くなることもある、と語っていました。そうですよね、道具が走るわけではありませんから。イノベーションが凄くても、それをモノにして、あの靴で42.195kmを走るまでに、彼は凄まじいトレーニングをしてきたと思います。

 フルマラソンの終盤では、たいていの選手は疲れて腰が落ち、かかとから着地してぺたぺた走るようになるのですが、福岡国際マラソンでの大迫選手の写真をよく見ると、ラスト400mという場面でも、ヴェイパーフライ4%の特徴を活かしてかかとを浮かせたまま走り、まだ2位を狙っていました。

 福岡国際マラソンでヴェイパーフライ4%を履いた選手はたくさんいましたが、そのような走りをしていたのは、大迫選手だけです。それほどまでに靴に左右されないフォームで走り続ける体を仕上げる努力をしてきたということです。

 アスリートにとって、走り方を変えるというのは重大な決断です。それに気づいたとき、大迫選手のとてつもない努力と苦労を知りました。

■「ランナーファースト」がナイキ精神

 ナイキには、やっぱりこういった努力をするアスリートの声を一番大切にしてきたところがあると思います。「SHOE DOG(シュードッグ)」は、そのあたりの泥臭い話が多くてわくわく読みました。

 ニューバランスがスポンサードしているニューヨークシティマラソンでは、受付や買い物などの列を、すべて5分以内でさばくという目標が掲げられていました。これから走ろうとするランナーを待たせちゃいけない、ランナーファーストなら行列を作ってはいけない、と。そのために導線も考え抜いたらしいのですが、責任者の方は「僕、元ナイキだったんですよ」と。

 ナイキ卒業生ってみんな凄いんですよ。世界中のスポーツメーカーに元ナイキの人が散らばっていますが、みなさんランナーファーストの精神を受け継いでいるように感じます。そんなナイキだから、ヴェイパーフライ4%が生まれた。

 今回の箱根駅伝は、靴に注目してみるとかなり楽しめるかもしれません。区間賞をとったあの選手はどの靴を履いているのか?  ユニフォームはこのメーカーだけど、靴はどのメーカーのどの靴なのか?  ソールのチョイスで選手の走りの特徴もわかりますし、その選手がこれからどういう風に成長していきたいのかも想像できる。箱根では、とんでもない人が4%速くなっているかもしれません。

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180102-00202761-toyo-soci&p=3

みんなの意見


名無しさん
茂木選手にも履かせてみて欲しい。

名無しさん
「93回」って書いてあるが、今年は「94回」だぞ?

名無しさん
試着して一目惚れしたadidasのウルトラブーストでフルマラソン走りました。
初心者でしたが故障なく完走できて、改めて靴の性能に感心しました。普段使いにもできて最高です。
4%の方も興味があります!良い情報をありがとうございます!

名無しさん
ベアフットも好きでそれでトレランもしますが、ホカオネオネを履くとやっぱり私には厚底がいいのかと思う。

名無しさん
東洋大学
往路優勝おめでとう♪

名無しさん
水泳のレーザーレーサーみたく今後禁止になりそう。

名無しさん
記事のNikeの靴って中にプレートの様なのが入ってて反発力を高めてるらしいけど
それって大会とかで使ったら反則にならないの?

名無しさん
薄底、厚底対決よりもヴェイパーはカーボンプレート入ってるんでしょ
論点がちょっと違うと思う
靴の機能が記録を左右するのではなく変な話みんな同じ靴で走ってほしいな
でないと駅伝と言う体のもと企業のアピール合戦になってしまう

名無しさん
ここのところスポーツシューズなって買ったことなかったけど、エア入りのシューズって売れているの?

名無しさん
M村さんは、金でアディダスに行きました。
サッカーの中村俊輔、川口能活もアシックスからアディダスに変更しました。
M村さんは天狗だった気がします。
TVにも出て、マラソン選手のA利純子のシューズは失敗したと笑ってました。
A利純子は、靴下をはかずに靴を履けと言われました。
良い生地があったから、M村さんはできただけ。
M村さんは職人ではない。
なにもわかってないよ。
たまたま有名選手が使ってやっただけ。

名無しさん
明日の復路は青学が圧倒的に有利といわれているが、この記事の内容通りなら本日の往路よろしく東洋大学が快走をみせて完全優勝を成し遂げるんじゃないだろうか

名無しさん
知らなかった︎
今日の結果はこのシューズの影響か。
説得力がある。

名無しさん
流行りだけで流されてしまうのだけが危険なんだよね。
特にフルに初挑戦しようかというくらいのランナーさん。
自分に合った走り方、シューズを選ばないと、それこそがケガやトラブルの原因になります。
トップアスリートでなくとも、シューズ選びは信頼できるショップ店員さんが必要ですよ。

名無しさん
今のアディダスは三村氏とは袂を分けている筈。
今年に去年の箱根以降、青学がトップにならなくなったのも関係があるのだろうか。

名無しさん
箱根駅伝、面白いですけど、この大会が最上のような報道等はいかがなものでしょうか?
人気はありますが、たかだか大学生の一試合でしかないのでは?
目線を世界に向けられないのでしょうか?
元々わ世界で通用する選手を育てる為に始まったのでは?
箱根必定で、箱根用の選手しか育っていないのでは?
国際大会で闘える選手が出てこないのなら、駅伝なんて意味ないのでは?
私の好きなサッカーは、少しは国際大会で闘えるようになりましたよ!
昔はワールドカップなんて夢の夢でしたが。
陸上も変わる必要があるのでは?

名無しさん
で、こはぜ屋のサポート受けてる選手はいるのか?

名無しさん
靴職人の三村さんですが、今年からニューバランスと専属契約を結んでいます。箱根駅伝でCMも入ってましたね。という事は今後ニューバランスのシューズも目立ち始めるのでしょう。

名無しさん
陸王の影響受けすぎ。どいつもこいつも単純だ

名無しさん
多分、厚過ぎず薄過ぎない、丁度いい厚さがあると思う。

名無しさん
東洋大学往路優勝しちゃったよこの記事書いた人すごいな

あの日あの時あの場所で
シルクレイが必要

名無しさん
これって陸王から刺激された記事でしょ。
内容はともかく、このタイミングでってちゃっかりしてるね、このライター。

名無しさん
厚底のほうは、ほぼ「装置」ではないですか?
装置の利用にはルールが必要となるかもしれませんね。

名無しさん
はは、ホントに東洋大往路勝っちゃった。
これ、陸王もあったし、箱根駅伝終わると話題になるかも。

名無しさん
良い記事!
気分上がってきました!
靴も見ます!

名無しさん
今日の朝8時に配信された記事だから凄い。東洋が往路優勝するとは思ってなかった。ここまで躍進できるとは、この靴ほんとうに凄いのかもしれない。

名無しさん
運動靴の進化は凄い。でも小学生から使う上履きも進化させないといけないとおもう。上履きは50年も同じ形状で明らかに足に合ってない。浮き指、外反母趾、歩き方が悪い、猫背Etc…身体能力の悪くなる原因になる原因になっている。asics、アンダーアーなどのメーカーに是非上履きを作って頂きたい。

名無しさん
有名な選手が勝つと突然厚底がバカ売れで日本人特有というかアホさが丸見え、個人的には厚底の方が合う人は多いと思うが見極めるにはもう少し時間かけるべきだよ

名無しさん
厚底は素人でも快く走るけど、
薄底だと、プロでもなければ怪我しやすいよ。

名無しさん
実際ズームフライを履くと走りが変わる、反発力がハンパない、ただソールが減る、タマ数が圧倒的に少なく、正規金額で手に入らない、そういう商戦やめてもらえますかナイキさん

名無しさん
マラソンど素人の自分にとって、
シューズでそんな変わるのか?って思っちゃう。

narit
実力の無い奴に限って高いシューズを買う

名無しさん
ナイキの靴は履く人をえらんでしまうんだよな
靴に足を合わせなければならない感じで…
日本人にはやっぱり国産の靴がいいと思う
ミズノアシックスとかなら靴が足に合わせてくれてる感じがする

名無しさん
このシューズ持ってます。
僕みたいなキロ5分のランナーがキロ4分で走ることが出来るようになりました。
カーボンプレートのためか、自然と足が前に出て推進力が出ます。明らかに従来のシューズとは違うシューズです。

名無しさん
陸王からヒントのネタ?

名無しさん
陸王の影響はすごいな!
あのドラマが無ければ
マラソン、駅伝は盛り上がらなかったな。

名無しさん
リアルシルクレイを作ればいいのに。

名無しさん
ヴェイパーフライは靴型がデカイのが合わなかったけど
足型合えば最強だよ。
ヴェイパーはユニセックス展開だけど足が小さく細い作りの自分はメンズ、ウィメンズで出して欲しい。

名無しさん
記事の半分くらいは陸王にかぶせてきたな。。。。

名無しさん
ドラマ陸王のおかげで駅伝やマラソンの楽しみ方がわかってきた気がする