中国が打ち上げた「長征3B号」ロケットのブースター部分が、四川省西昌市の西700km前後の山村付近に落下しました。

あまり報道はされていないものの、SNSに投稿された動画を見る限りかなり危険な状況だった模様です。長征3Bは1月11日に打ち上げられ、高分解能商業リモートセンシング衛星「高景1号」の3~4号基を軌道に送り込んだとされます。しかし、その4つのブースターのうちのひとつが山村付近の山中に落下し、轟音とともに大きな火柱をあげました。

中国のロケット打ち上げ施設は冷戦時に(核兵器の発射も想定して)建設されたため、可能な限り国境から離れた場所にあります。しかしそのせいで打ち上げたロケットのデブリが施設周辺の市街地付近に落下する危険性は避けられません。1996年には、やはり長征3Bが打ち上げに失敗して付近の町に落下、数十の家屋を破壊し、6人の死者、57人の負傷者を出す事故を起こしました。

もちろん中国も安全性について考えていないわけではありません。新しい長征5号および7号ロケットについては、南シナ海の海南島にある打ち上げ施設を使用して打ち上げるようになっており、ブースターは海に落下するようになっています。ただ、長征5号は昨年打ち上げに失敗していることもあり、中国の宇宙ロケットを専門とするジャーナリストのアンドリュー・ジョーンズ氏は「今後もしばらくは実績ある長征3号を使い続けるだろう」としています。

なお、中国では今回の打ち上げの2日前に打ち上げた長征2Dロケットからも、地球観測衛星「高景一号」を収めていたペイロードフェアリングの一部が、湖北省の畑に落下しています。燃料のないロケット先端部だったため火は出なかったものの、落下地点としては人がいる可能性があるこちらのほうがむしろ危険だったかもしれません。
日本では近年、北朝鮮のミサイル実験のために飛来の危険を知らせる警報「Jアラート」が何度も発報され、物騒になったと感じている人も多いはず。しかし中国では国が人工衛星を打ち上げるたびに何か落ちてきやしないかと、まだしばらくはヒヤヒヤしなければならなそうです。

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