安倍晋三首相の妻である昭恵夫人が、自身の『Facebook』に書き込まれたコメントに対して「いいね」をしたことが問題だと指摘する報道を、朝日新聞や読売新聞などがしています。

「野党のバカげた質問」は主題ではない
 報道では「野党のバカげた質問」に「いいね」したことが見出しとして強調されていますが、「いいね」されたコメントの全文は以下のとおりです。

「お疲れ様です。明日のよりよい世界を構築していくためには、日本ではやらなきゃならない問題があり過ぎますね、総理夫人としてお立場上、非常に難しいこともあると思いますが、今後とも大いにご活躍お願い申し上げます。

野党のバカげた質問ばかりで、旦那さんは毎日大変ですね。世界が毎日かなりのスピードで変わっているというのに、ホント国会には、世間には先を読めない、読むこともその匂いさえ嗅ぐことも出来ない人間が多過ぎますね。与党とか野党とかそんなケチなことを言わず、これからは皆のために、物の本質を見た政策、制度をどんどん実現すべきなんですがね。

理想論になりますが、いずれは日本でも大学まで学費無料、医療費(入院代・治療費)無料等々無限にあります、しなきゃいけないことは。大震災が起きれば、国が率先して社会住宅を全面的に支援しなきゃいけませんよね」

 コメントは「与党とか野党とかそんなケチなことを言わず」、「いずれは日本でも大学まで学費無料、医療費(入院代・治療費)無料」、「大震災が起きれば、国が率先して社会住宅を全面的に支援しなきゃいけません」など、さまざまな内容を含んでいます。

 全文を読めば、見出しにされたコメントは主要な部分ではないことが分かると思います。

誰がどれに「いいね」したのくだらなさ

そもそも今回の報道、意味があるものなんでしょうか? 誰がどのコメントに「いいね」したかなんてくだらないというか、これを報道する価値があると認めた場合、政治家をはじめとしてジャーナリストや企業の役員など、特定の職に就いている人間はSNSを自由に使えなくなってしまいます。

 どんなコメントに「いいね」や「ファボ」をしたかを報道される未来なんて、書く方としても読む方としても待ち望んでいる人はいないのではないでしょうか。

 また、今回の「いいね」が本当に「賛同」として押されたのか、メモの意味はないのか、それとも単純に見ているときにボタンに触れてしまっただけなのか分からない状況で、「こいつ、こんなコメントにいいねしてるー!」と大げさに取り上げることがジャーナリズムとも思えません。少なくとも取材をするべきです。

 もちろん今回の報道を肯定的に捉える人にとっては「森友文書の改ざんの追及を『バカげた質問』とするコメントに、渦中の人物が『いいね』を押すのは問題だ」と思われるでしょうし、それは私も一理あると思います。

 しかし、次の事実を知ってしまえばその一理も吹っ飛んでしまいます。
昭恵夫人、コメントのほぼ全てに「いいね」押し


 昭恵夫人のFacebookに投稿されたコメントをチェックすると分かるのですが、昭恵夫人は投稿されたコメントのほぼ全てに対して「いいね」を押しています。

応援コメントや意見を肯定するコメントはもちろん、とくに主張がなさそうなスタンプだけのコメントに対しても「いいね」を押す「いいね」のばら撒きっぷり。

 もちろん「いいね」を押さないコメントもいくつか確認できました。そのどれもが昭恵夫人に対する批判だったため、批判コメントに対しては「いいね」を押さないのでしょう。でも、そういったコメントでも削除せずに残しているため、自由に発言できる場となっています。
おそらく昭恵夫人は、「いいね」を「読んだよ」というコメント返しのような機能として利用しています。コメントひとつひとつに返事をするのは時間的に難しいため、「いいね」を返すことで「あなたのコメントを読んだよ」と伝えているのです。

Twitterで話題の昭恵夫人のいいね連打。@yoshikawanoriさんより提供。黒線は筆者の加工
 Twitterで話題になっていたため見かけた人もいるかもしれませんが、「いいね」を「読んだよ」代わりに利用しているひとつの例として、『Instagram』での昭恵夫人の「いいね」連打が確認されています。

少し調べればこうしたことが分かる状況で「どうして『いいね』をつけたんですか!?」と追及しても、「既読の意味でつけてました」と言われてしまっておわりだと思うんです、辻元先生。

立憲民主党の辻元清美国対委員長は14日、「もう感覚が理解できない。なぜ『いいね!』を押したかも証人喚問に来ていただいて、お聞きしたい」と批判した。

その人が直接意見を発した訳ではない以上、この問題で騒ぐのはやめにしませんか? 誰がどれに「いいね」したかを国会で問題にするなんて、本当にくだらないことに時間が使われているように感じます。

ここに引用文が入ります。