■進む高齢化 支援機構「一刻も早い配当を」

 オウム真理教による一連の事件の被害者や遺族を支援する「オウム真理教犯罪被害者支援機構」が、教団の後継団体「アレフ」に未払い賠償金約10億5100万円の支払いを求めた訴訟の第1回口頭弁論が20日、東京地裁(田中一彦裁判長)で開かれる。平成7年の地下鉄サリン事件から同日で23年を迎えるが、賠償面での被害救済は進んでいない。機構は「被害者らが高齢化しており一刻も早く賠償金を配当することが急務」としている。

 教団は一連の事件の被害者らから破産申し立てを受け、8年に破産。被害者が届け出た損害賠償債権は約38億2200万円にのぼった。破産管財人が教団の財産を処分するなどして被害者に配当したが、完納のめどは立たず、債権の6割程度にあたる約22億7200万円を残して20年に破産手続きが事実上終結した。

 管財人から債権を譲り受けた機構は、後継団体のアレフと「ひかりの輪」に残る支払いについて交渉し、ひかりの輪とは年間目標額などについて合意。アレフとは合意できず機構が24年、東京簡裁に調停を申し立てたが、アレフが簡裁の決定に異議を申し立て不調に終わった。

 アレフは機構の交渉に応じない一方、教団から債務を引き継いだ際の管財人との合意に基づき、管財人が運営していた「サリン事件等共助基金」に送金を続けていた。昨年11月までに支払った額は約3億5700万円。ただ、アレフでは送金を「道義上の責任」と位置づけており、支払い計画も明確でない。

 これらの経緯から、機構は速やかな完納に向け法的な責任を求めようと、今年2月に訴訟を提起した。訴訟では、基金への支払額や、オウム被害者救済法に基づき国から受けた給付金約8億3200万円などを差し引いた約10億5100万円を請求する。機構はアレフの保有資産から、支払い能力はあると主張する。

 アレフは広報部のホームページで、調停が不調となった理由を、「機構の会計処理が不透明だったため」などと記載。訴訟については「被害者救済の受け皿たり得る根拠を明らかにせず、金銭の支払いを要求してきたもの」としている。

 機構はアレフのこうした主張を「(不調にするための)口実にすぎない」とみる。宇都宮健児理事長は「調停に応じないのは不誠実で、教団の罪を真摯(しんし)に反省する姿勢が見えない。速やかに勝訴判決を得て配当を実行したい」と話す。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180318-00000028-san-soci