スイス・ジュネーブの国連人権理事会で21日、非政府機関(NGO)の「国連ウオッチ」が招いた中国反体制活動家、
楊建利(Yang Jianli)氏が中国の人権状況を報告中、中国代表部は同氏の報告を何度もストップさせ、会議議長から「ストップする理由はない」と勧告される場面があった。

以下、独週刊誌シュピーゲル電子版の記事を参考に、ジュネーブの国連人権理事会での中国代表部の横暴さを紹介する。

楊建利氏は1963年、中国山東省生まれ。1989年の天安門広場の学生抗議デモ集会に参加した後、出国を強いられる。
2002年に中国を訪問時にスパイ容疑で逮捕され、5年間監禁生活を送った。07年4月に釈放された。現在、米国で亡命生活を送っている。

楊建利氏は理事会で、「中国代表部が国連人権理事会に参加する資格があるのだろうか」と疑問を呈した時、
中国代表部から激しい抗議の声が飛びだし、「ジュネーブの人権理事会の名誉を傷つける発言だ」と糾弾し、
 楊建利氏の話をストップさせようとした。会議議長から「中国側の抗議は無効」と退けられた。

楊建利氏は中国代表部から何度も横やりを受けながらも話し続けた。
毛沢東の文化大革命、法輪功や民主運動への弾圧を言及し、「中国で過去、数百万人の国民が殺害された」と指摘した。

中国代表部から即抗議が出たが、同氏は話し続けた。

「中国全国人民代表大会(全人代)は3月11日、国家主席の1期5年、2期10年間の憲法条項を撤廃し、
終身制への道を開く憲法改正案を賛成多数で成立させた。
習近平氏は2023年以降も国家主席のポストに座り続けることができる。
中国は独裁国家の道に入った」と述べると、中国代表部から一段と強い口調で、「そのテーマは人権理事会の議題ではない」
といった抗議の声が挙がった、といった具合だ。

ちなみに、中国全人代は今月20日、「全ての国家機関は習近平国家主席の思想に忠実に従わなければならない」として、
それを監視する新しい監視法を成立し、幕を閉じた。これによって、習近平国家主席は毛沢東以来の最も権力を有する権力者の地位に就いたわけだ。

習主席は20日、全人代閉幕の演説で、中国を分裂させようとする全ての試みに対し警告を発し、
「わが国が世界で占めるべき地位を獲得するために血の出る戦いをする用意がある」と宣言している。

このコラム欄でも紹介してきたが、中国共産党政権は今年に入ってキリスト教会の建物を破壊するなど強権を発動している、
中国北部の山西省臨汾(Linfen)市で1月9日、キリスト教会「金灯台教会」の大きな建物が当局によって取り壊された。
中国共産党政権は、「わが国は憲法で信教の自由を認めている」と豪語してきたが、国内の宗教団体や教会を厳しく統制し、
必要ならば教会建物を破壊し、信者たちを拘束している。

習主席は、「宗教者は共産党政権の指令に忠実であるべきだ」と警告を発する一方、「共産党員は不屈のマルクス主義無神論者でなければならない。
外部からの影響を退けなければならない。
インターネット上の宗教活動を厳しく監視しなければならない」と強調したことがある
(「中国共産党政権、宗教弾圧強める」(http://agora-web.jp/archives/2018862.html)2016年4月27日参考)。


また、中国共産党政権は国内の気効集団「法輪功」メンバーに対して激しい弾圧を繰り返してきた。
法輪功メンバーを監視する機関(通称「610公室」)を設置し、法輪功の根絶を最終目標としている。
そればかりではない。中国当局は拘束した法輪功メンバーから生きたままで臓器を摘出し、それを業者などを通じて売買している。
2000年から08年の間で法輪功メンバー約6万人が臓器を摘出された後、その死体を放り出された、という報告が国際人権活動家から公表されているほどだ。

編集部より:この記事は長谷川良氏のブログ「ウィーン発『コンフィデンシャル』」2018年3月24日の記事を転載させていただきました。
オリジナル原稿を読みたい方はウィーン発『コンフィデンシャル』(http://blog.livedoor.jp/wien2006/)をご覧ください。

長谷川 良

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180325-00010008-agora-int&p=1