17日、東京渋谷のある小劇場で旧日本軍慰安婦被害者を題材にした映画『沈黙-立ち上がる慰安婦』の上映会が開かれた。戦争と慰安婦被害者を題材にして手掛けてきた在日韓国人2世のパク・スナム監督(82)の4作目の映画だ。


この映画は彼が30年近く集めてきた慰安婦被害者の証言と活動記録を編集して製作したものだ。パク監督は2015年、韓日慰安婦合意が妥結された後、映画を作らなければならないと決心したという。彼は「被害者の声に耳を傾けず、勝手に韓日慰安婦合意を締結したことに対する怒りでこの映画を作った」と話した。

117分間の映画には1990年代日本政府に謝罪と賠償を要求する被害者たちの闘争の歴史が生き生きと映されている。被害者は皇居の前に座り込んで泣き叫んだり、日本の政治家と前職軍人を相手に手に余る証言を吐き出したりもする。フィルムの場面一つひとつが記録であり歴史だ。慰安婦被害者の活動が韓国集会を中心に記録され、証言も最近では映像に保存し始めたことを考えると、意味深い映画だ。

映画には6人の被害者が登場する。今年初め、文在寅(ムン・ジェイン)大統領の招待で青瓦台(チョンワデ、大統領府)を訪問した李玉善(イ・オクソン)さんもその1人だ。映画の中で被害者はまだ髪の毛が黒い60代だ。映画に出てくる被害者の中で現在生存している人は李玉善さんを含めてただ2人だけだ。被害者に「その時」の記憶を尋ねると最初は声が出ないので言えないという。あまりにも深いところに閉じ込めておいた記憶であるためだ。その沈黙を破って証言をした記録がこの映画だ。

パク監督は「お金がいくらかかっても記録だけは必ず後世に残すべきだと考えた。私たちが必ず知るべき我が民族の歴史だ。最後まで掘りおこして必ず責任者が誰なのかを明らかにしたいという確信で今まで生きてきた」と話した。

パク監督が慰安婦被害者に関する取材を始めたのは1989年にさかのぼる。慰安婦被害者のうち初めて被害事実を知らせた故ペ奉奇(ペ・ポンギ)さんのインタビューが入った映画『アリランのうた-オキナワからの証言』を1991年に発表した。この映画は日本国内で20万人の観客が見た。

パク監督は「韓国の若者たちにこの映画をたくさん見てほしい」と話した。彼は「慰安婦のことはもうほどほどにしてほしい、うんざりだという人々が多いということを知っている」とし「だが、私たち自らが歴史を忘れれば、このような事実があったとのことさえもなくなる可能性がある」として関心を呼びかけた。

『沈黙-立ち上がる慰安婦』はソウル国際女性映画祭、DMZ国際ドキュメンタリー映画祭でも上映された。日本では東京だけでなく、大阪、横浜などで小規模で上映される計画だ。

この日、映画を見たある日本人は「私は日本人でありながらも日本政府が今何をしているのか分からない。慰安婦被害者の声をなぜ聞かないのか」と話した。もう一人の観覧客は「人間として日本が犯した罪の重さを実感した。国家が必ず被害者に謝罪しなければならないと強く思った」と話した。

パク監督の今後の計画はこれまで撮影した記録をデジタル化して保存することだ。慰安婦被害者の記録だけでなく、軍艦島の強制連行、長崎被爆関連記録など30年間積み重ねた膨大な記録だ。フィルム分量が10万フィート(約30キロメートル)を超える。1フィートをデジタル化するのに2万円の費用がかかるという。韓国国家記録院と映像資料院と協議して政府に寄付する案も検討中だ。

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