先週の歴史的な南北首脳会談。韓国と北朝鮮に生き別れとなった「離散家族」の問題でも進展がありました。長年、再会を望み続けてきた親子や兄弟。しかし、今回の進展を、素直には喜べない人もいます。


 先週の南北首脳会談を複雑な思いで見つめていた男性がいました。北朝鮮出身のキム・キョンジェさん。南と北に家族が引き裂かれた「南北離散家族」の団体の会長です。会談終了後の南北融和を象徴する抱擁の場面。しかし、キムさんは警戒感を隠しませんでした。

 「ショー、ショー、ショーマンシップ」(南北離散家族協会・会長 キム・キョンジェさん)

 「政治ショー」だというのです。キムさんの人生を狂わせたのは、1950年に勃発し北朝鮮と韓国が戦火を交えた朝鮮戦争です。北朝鮮で生まれ育ったキムさんは、当時18歳で韓国に避難。故郷に残った両親や妹の消息は途絶えました。その後、日本や中国の知人を介して、故郷の情報収集を続けたというキムさん。北朝鮮には今も、9歳年下の妹が健在だということ、そして、子供もいるということがわかりました。

 「(妹に会いたいですか?)もちろん会いたいです。会ったら何したらいいか」(キム・キョンジェさん)

 68年もの間、離れ離れとなっている妹。会って何を話していいかもわかりませんが、とにかく会いたいというキムさん。今回の首脳会談では、キムさんのような南北離散家族の問題を解決していくことでも合意。8月15日を機に、再会の機会を設けることも決まりました。しかし、離散家族の再会事業は、これまでにも実施され、南北の関係が緊張するたびに中断されてきた過去があります。しかも、1度に会えるのは200家族程度、再会を申請した13万人と比べると、ごく一握りにすぎません。

 「お互いに表だけ人道的なことをやっているよと。世界にイベントみたいな仕事をやっているだけですよ。実際に離ればなれになった家族を本当に会わせたいという気持ちはないでしょ」(キム・キョンジェさん)

 ただ、キムさんは、今回の歴史的な首脳会談には、これまでにはない前向きな変化も感じています。キムさんの年齢は86歳。離散家族の仲間が次々に亡くなっていくなか、今回こそはただの政治ショーにならないで欲しいと願っています。

https://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn?a=20180502-00000094-jnn-int


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