大型車、小型車で異なる傾向も
 高速道路のSA・PAは近年、設備やサービスなどが充実し、マスコミなどでもたびたび取り上げられていますが、一方で駐車マス不足も顕在化しているようです。

 NEXCO西日本は管内の全SA・PAについて駐車場の利用実態調査を進めており、2018年3月までに約180か所で完了しています。その結果、大型車については平日夜間を中心に70%以上のSA・PAで、小型車については休日昼間を中心に50%以上で駐車マスが不足しており、慢性的な混雑が確認されたといいます。原因と対策を同社に聞きました。

――駐車マスが不足している場所の傾向や、原因はどのようなものでしょうか?

 大型車については、仮眠や時間調整のため長時間駐車される方が増えている点が挙げられます。物流業界で運行管理が厳格化していることから、SAやPAへの立ち寄り回数も増えており、特に名神高速や山陽道など、東西方向の広域的な物流を担う道路で、時間帯によって駐車マスが不足している傾向です。

 小型車については、はっきりとした原因は分析できていないものの、大型車と同様に立ち寄り回数は増えています。たとえば四国や九州南部、西部など、どちらかといえば観光需要の高い場所を中心に不足傾向が見られます。

――単に利用台数が増えたために起きているのでしょうか?

 台数が増えていることもありますが、それだけではありません。たとえば、大型車の駐車マスに小型車が停まっているために、大型車が停められない、あるいはその逆のケースもあり、ご利用マナーに起因する駐車マス不足も起こっています。

 2017年1月から11月にかけて、当社のお客様センターやSA・PAのインフォメーションなどに寄せられたマナーに関するお問い合わせで最も多い項目は、「SA・PAでの指定駐車マス外への駐車」でした。なかでも「大型車マスに小型車が駐車」しているために大型車が駐車できなかったというご意見が最も多くなっています。

限られたスペースでどう増設? 大型・小型の「兼用マス」も

――どのように対策をされていくのでしょうか?

 抜本的な対策として、混雑が激しいSA・PAを対象に駐車マスを増設していきます。このほか、本線上で近隣のSA・PAにおける駐車場の混雑状況を表示する駐車場混雑案内情報板を増設し、ウェブサイトを通じた駐車場内ライブカメラ映像のご提供も拡充していきます。これらにより混雑状況を事前にご案内し、エリア選びの参考にしていただくことで、混雑の平準化を図るほか、お話した駐車マナーの啓発もあわせて行っていきます。

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 NEXCO西日本はこれまでも、エリアの大規模リニューアルの際などに駐車マスを増やしてきたといいますが、今後さらに、2020年度までに管内約60か所のSA・PAで小型車用の駐車マスを約18%増の約700台ぶん、大型車用を約32%増の約800台ぶん増設していく予定です。駐車場内のゼブラ帯を少し削っても問題ないと判断したところでは、それによって駐車スペースを捻出したり、駐車マスの角度や通路の幅などを含めて区画線を引き直したりして、限られたスペースを活用していくといいます。

 また、小型2台または大型1台が停められる「兼用マス」を増やし、たとえ昼間は小型車用、夜間は大型用といったように、時間帯で運用を変えるケースもあるそうです。


 このような動きはNEXCO西日本以外の高速道路でも同様で、NEXCO東日本ではすでに、2012年末から2016年末のあいだに大型車用を86台ぶん増設したそうです。「駐車マス不足については、傾向がエリアごとに異なりますので、小型も含めて随時対応していきます」といいます。

 NEXCO中日本も、特に長時間駐車が増える深夜帯の大型車用を中心に、駐車マス不足が起こっているとのこと。長時間駐車を抑制するのための啓発キャンペーンを実施していくほか、既存のSA・PAでは新東名高速や東名高速を中心に大型車用、小型車用それぞれの駐車マスを合計300台ぶん増設、さらには携帯電話などを通じた「駐車場予約システム」の導入なども検討していくそうです。

乗りものニュース編集部

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180512-00010003-norimono-bus_all&p=1