不法滞在の外国人を収容する法務省入国管理局の施設で、収容期間が6カ月以上の長期収容者が急増している。全収容者のうち、2017年12月時点で36.8%に達し16年末より9ポイント増えた。在留資格がなくても人道的観点から施設を出られるようにする「仮放免」の手続きを国が抑制しているためとみられる。入管難民法では収容や仮放免は入管の判断だけででき、専門家は裁判所によるチェックの必要性を指摘している。

 法務省によると、17年12月19日時点で、全国の施設には1386人が収容され、長期収容者は36.8%の510人。16年末は収容者1133人のうち長期は313人で27.6%だった。

 増加の背景には、法務省が近年、不法滞在者と難民申請者への対応を厳格化したことがある。法務省は15年9月、全国の入管当局に通達を出し、不法就労などがあった場合は仮放免を取り消すなどし、再収容することを確認した。

 また、在留資格を持つ外国人が難民申請した場合、申請6カ月後には一律に就労を認めていたが「就労目的の申請が増えている」として17年3月に「帰国促進措置」を試行的に導入。特別な理由なく同様の難民申請を3回繰り返せば強制退去手続きを取り、収容後は「特段の事情がある場合を除き、仮放免することなく手続きを進める」とした。

 今年1月には難民認定制度の運用見直しを公表。「借金取りから逃げてきた」など明らかに難民と認められない場合、初回の申請でも在留期限後に強制退去手続きを進めることとした。

 退去取り消しを求める行政訴訟などが続いていると送還はされないものの、仮放免は認められにくくなっており、長期収容につながっているという。強制退去が決まった場合の仮放免をみると、15年は3606人だったが、17年は3106人に減少している。

 収容者の自殺などの問題も出ており、全国難民弁護団連絡会議の高橋済弁護士は「人権上問題で、収容や仮放免の可否を裁判所が審査するよう法改正を検討すべきだ」と指摘する。

 法務省入国管理局警備課は「申請者ごとの判断で、原則として仮放免しないということではない。難民ではない場合に厳しく収容するようにしたのは確かだが、適正に対処している」としている。【山口知】

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180521-00000006-mai-soci


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