日本大学アメリカンフットボール部の選手が関西学院大との定期戦で相手選手に悪質なタックルを見舞った問題は、発生から1カ月以上が経過したというのに、すっきりしない状態が続いている。
 5月29日、関東学生アメフット連盟は、さまざまな証言や証拠を基に「どちらを信用すべきか火を見るより明らか」と、内田正人前監督と井上奨前コーチの主張を虚偽と認定。事実上の永久追放とする除名処分を決めた。にもかかわらず、日大側は「反則を指示していない」という前監督らの主張の真偽には触れず、第三者委員会で原因究明や運動部のガバナンス体制の検証を行うという。第三者委の調査には2カ月近くかかり、結論は7月下旬になる見通しだ。

 学連は指導体制の改善などを条件に、日大アメフット部に対する出場停止処分を解除して秋のリーグ戦に出場できる道を残したが、第三者委の結論を待っていては難しい状況だ。大学側のこの姿勢には「本気でアメフット部の学生のことを考えているのか」という批判が渦巻く。そもそも、問題のプレーが起きてから、常に対応は後手後手。関学大の鳥内秀晃監督が「真相を解明する気があるのか」と怒りをあらわにしたのも当然だった。

 その後の経緯を見るまでもなく、日大側に真実を解明する気はなかったと考えるのが自然だ。この問題は日大本体の権力の構造と連動しているように見える。事件の当事者となった内田前監督は田中英寿理事長の側近中の側近とされた人物。その大幹部が悪質なプレーを指示していたとなると、教育機関として大学自体の大きな問題となる。だから騒ぎが大きくならないことを願って自らアクションを起こすことをせず、謝罪したいと申し出た日大選手の行動も当初制止。関学大の抗議を受けた後も、指示の真偽に触れることなく、内田氏の監督辞任ですべてにフタをしようとしたわけだ。

 スポーツを前面に出して「スポーツ日大」などとうたい、大学のブランドイメージ戦略や経営に最大限利用しているにもかかわらず、「学生の課外活動なので、あくまで部の問題として対応してしまった」(大塚吉兵衛学長)という苦しい弁明。学校法人の中では理事長、常務理事より格下の学長を説明役とし、田中理事長は公の場に出てきていない。
 内田氏は常務理事は辞めたものの、人事部長、保健体育審議会局長という役職については6カ月の自宅待機。第三委の判断によっては復帰もあり得る状況だ。そもそも日大側が雇った第三者委が公正な判断を下せるのか。大きく世間を騒がせている問題にもかかわらず、2カ月かかるというのも釈然としない。「時間の経過で事件の風化を狙っているのではないか」という疑いは晴れない。

つづく

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