アルミ板や銅製品の品質データ改ざんが発覚した神戸製鋼所は21日、神戸市中央区で定時株主総会を開いた。不正競争防止法違反(虚偽表示)容疑で東京地検特捜部などの捜査を受け、株主から「社会の信頼が根底から崩れた」など厳しい声が上がる中、山口貢社長は一連の問題で陳謝したが、信頼回復に向けた道筋は厳しいものになりそうだ。

 引責辞任した川崎博也会長兼社長に代わって4月に就任した山口社長は、冒頭で「検査結果の改ざんが判明し、株主や顧客、取引先に多大なる迷惑をかけた」と頭を下げた。一連の問題の経緯と再発防止策について株主に説明した。

 しかし、株主からは批判が噴出。社員の意識低下を原因の一つとした会社側の説明に対し、質問に立った男性株主は「社員が気の毒。現場の意見を吸い上げられない企業風土こそが問題だ」と指摘した。山口社長は「(再発防止策として)積極的に経営幹部が現場で生の声を聞くようにしている」と釈明するしかなかった。

 不正があった製品は海外にも輸出され、米司法省の調査を受けたり、米国やカナダで集団訴訟を起こされたりしている。これらの先行きについても、山口社長は「現段階で賠償額などを見通すことは困難だ」と苦しい答弁に終始した。総会には昨年(394人)を上回る497人の株主が出席。1時間45分で終わり、取締役選任を含めた会社側の提案は全て承認された。

 終了後、神戸市に住む男性株主(67)は「海外で起こされた集団訴訟の賠償額が莫大(ばくだい)になるのではないか」と不安げに話した。

 データ改ざん問題は昨年10月に発覚。顧客が求める仕様を満たそうと1970年代に始まり、役員経験者も認識していたとみられている。東京都品川区の東京本社や神戸市中央区の本社などが今月5日に家宅捜索された。【小坂剛志、加藤美穂子】

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180621-00000095-mai-bus_all