「取るに足らない日本列島の4つの島を核爆弾で海中に沈めるべきだ」「日本はもはや、われわれの近くに置いておく存在ではない」。北朝鮮は、国民の怒りの声として、対外機関の声明でこう日本を非難した。合同軍事演習を続けた米韓に対するのと同等の強い言葉での糾弾だ。

北朝鮮は「千年の宿敵」として、これまでも日本批判を繰り返してきた。だが、一つの発言からトーンが過激さを増す。小野寺五典防衛相が8月の就任後、北朝鮮のミサイル拠点を破壊する「敵基地攻撃能力」の保有を検討するとした発言だ。小野寺氏を名指しし、「日本列島は一瞬で焦土化できる」と警告した。

 北朝鮮は、先制攻撃を連想する米戦略爆撃機の朝鮮半島への飛来や、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の拠点を狙う米韓の「斬首作戦」にヒステリックに反発してきた。その戦列に自衛隊が加われば、北朝鮮にとって米韓軍を対象に描いてきた戦略が崩れることになり、何としても避けたいと恐れている裏返しといえそうだ。
ただ、今回の制裁決議後の公式表明は「全面的に排撃する」とした13日の外務省「報道」にとどまった。報道は声明や談話より格が低く、政府声明で「正義の行動に移る」と威嚇した8月の制裁決議後の反発に比べ、水準を落としている。

 草案にあった金委員長の制裁指定や石油の全面禁輸など、北朝鮮にとって最悪の事態が回避されたことで、米国を含む国際社会の出方を探る思惑もうかがえる。

かといって、制裁が履行されれば、経済への影響は避けられない。国民の声として日米韓との対決をあおるのも、内部結束を固める狙いとみられる。

 決議前には、採択されれば「最後の手段も辞さない」と牽制(けんせい)しており、大陸間弾道ミサイル(ICBM)を日本越しに発射するなど、新たな軍事的挑発に出る可能性も高い。(ソウル 桜井紀雄)

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