つづき

ホンダ、ソニー、花王、ユニクロ…
 昨年の日本の貿易相手国は、1位が中国で全体の21.7%、2位がアメリカで15.1%である。’07年以降、中国は一貫して日本の最大の貿易相手国であり、中国発の金融危機が日本にもたらす影響は、10年前の比でないことが、容易に推察できる。

 前出の田代氏も続ける。

 「もしも中国発の金融危機が起こったなら、リーマン・ショックをはるかに上回る衝撃が、世界と日本を襲うでしょう。特に、ゼロ金利を超えてマイナス金利に踏み込んでいる日本は、対処不能に陥ります。

 デフォルトを防止するため、医療・年金・介護予算の大幅カットを覚悟しなければならなくなります」

 さらに個別に、日本企業への影響を見ていこう。

 米中貿易戦争のダメージが大きい日本企業に共通しているのが、中国国内の工場で生産し、アメリカに製品を輸出していることだ。いくら日系企業が作ろうが、それらの製品はアメリカでは、メイド・イン・チャイナの烙印を押されてしまうからだ。

 トランプ大統領が目の敵にしている自動車、オートバイや、それらの部品メーカーも、多大な損害を受ける。中国で製造するオートバイをアメリカに輸出しているホンダや、その系列メーカーのケーヒンなどだ。

 また、2年前に台湾メーカー鴻海の傘下に入ったシャープや、アメリカ向けビデオカメラを中国で生産しているソニーなども、制裁の影響をモロに受ける。太平洋セメントのように、中国工場が、アメリカ向け輸出に頼っている企業はなおさらだ。

 さらに、制裁の範囲が日用品にまで広がっていけば、花王のような企業はますます影響を受けることになる。

 逆に、米中貿易戦争の影響を受けない日本企業も存在する。ポイントは、中国工場からアメリカ向けに輸出していないか、もしくは輸出していても制裁の対象外となっている品目を取り扱っていることである。

 哺乳瓶メーカーのピジョンは、米中両国で手広く事業を展開しているが、両国の事業を完全に分散しているため、制裁の嵐から逃れた。

 また、今年度上期の決算で、初めて海外売り上げが国内売り上げを上回ったユニクロは、衣料品がアメリカの制裁対象から外れたため、問題ない。

 もしも衣料品を制裁対象に含めると、アメリカ人の着る服がなくなると言われるほど、中国に依存しているからだ。

影響はこんなところにまで!
 前出の田代氏の分析をもとに、代表的な日本企業への影響を記したのが、ページ下の表である。

 おしまいに、日本国内では、どんなものが値上がりして、どんなものが値下がりするのか。経済ジャーナリストの荻原博子氏が解説する。

 「自動車は値上がりし、食料品も大部分は値上がりします。国産牛や国産豚であっても、輸入飼料を使って育てているので、例外ではありません。

 ただし、中国への輸出が63%を占めていたアメリカ産大豆がだぶつくため、それらが安価で日本に入ってくる可能性がある。そうなれば、納豆などは値下がりします」

 こうした変化は、当然ながら日本企業の株価にも影響を与える。トランプ大統領と習近平主席の争いが日本を直撃する日は、刻一刻と迫っている――。

 「週刊現代」2018年8月4日号より

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180825-00056749-gendaibiz-int&p=4