【ソウル=桜井紀雄】インドネシアで開かれたアジア大会で、韓国が野球やサッカーで金メダルを得たことで兵役免除をめぐる論争に火がついた。アジア大会で1位となった選手は兵役を免除されるのに、米ビルボードでトップになった歌手には適用されず、不公平だというのだ。韓国政府も世論に押されて制度の見直し検討に言及した。

 アジア大会の1日の野球の決勝戦では、日韓戦に熱くなる韓国世論の様相がいつもと違った。プロ選手をそろえ、社会人チームの日本に打ち勝った韓国代表に対して、インターネット上では「恥ずかしい金メダルだ」といった書き込みまで見られた。一部の選手が兵役を免れるため、入隊を延ばしてアジア大会に出場したとの批判が起きた。

 特に、英プレミアリーグで活躍し、23歳以下で構成したサッカー代表にオーバーエージ枠で加わった孫興民(ソン・フンミン)選手(26)や野球の呉智煥(オ・ジファン)選手(28)らが議論の的になった。

 韓国では、五輪で銅メダル以上やアジア大会で1位、特定の芸術コンクールで1、2位に入賞したものに加え、重要無形文化財の伝授教育履修者が事実上の兵役免除の対象となる。アジア大会の結果、野球9人、サッカー20人を含む42人が免除されることになった。

これに対し、人気音楽グループ「防弾少年団(バンタンソニョンダン)」がビルボードのアルバムチャートで2作連続1位を獲得したにもかかわらず、対象にならないとして不公平だとの声が高まった。野党議員は国会で「公平性に問題がある」と指摘。兵役を管轄する兵務庁長は3日、聯合ニュースに「兵役の特例制度を見直す時期が来たと感じている」とし、再検討する計画を明らかにした。李洛淵(イ・ナギョン)首相も4日、閣議で「国民の知恵を集めて合理的な改善案を出すことを願う」と述べた。

 韓国政府は4日、兵役期間を陸軍などで21カ月から18カ月に、海軍などで23カ月から20カ月に段階的に減らすことを決めた。少子化が進む中、国防省は兵役の特例制度そのものを段階的に廃止する案を検討しているとも報じられている。

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