【AFP=時事】太平洋の島国ナウルのバロン・ワガ(Baron Waqa)大統領が4日、同国で開催されている域内最大の年次首脳会議「太平洋諸島フォーラム(PIF)」で、中国の特使が「横柄」な振る舞いを見せ、中国政府の威を借りていじめたがっていると非難した。

 中国特使団の杜起文(Du Qiwen)氏は4日、PIFの席上、気候変動に関する演説をしようとしたものの、議長を務めるワガ大統領がこれを制したことで緊迫したやりとりが交わされた。ワガ大統領は激怒した一方、杜氏ら中国の代表団は退場。杜氏は退室前、会場内を歩き回りながら不満を露わにしたとされる。

 ワガ大統領は、PIFの開幕前にもビザ(査証)発給をめぐり中国政府を憤慨させている。

 中国の特使団が入国する際にナウル側は、あからさまな当て付けであるかのように入国ビザのスタンプを外交官用旅券には押さず、個人旅券に押す形で手続きを行うとした。

 ささいな出来事のようにも見えるが、この対応に他のPIF加盟諸国が怒りの反応を示した。こうした国々の多くは、中国から開発援助や無利子借款を受けている。

 中国ではなく台湾と外交関係を結んでいるナウルは、人口わずか1万1000人、面積は21平方キロの小国だが、同国のワガ大統領は大国である中国との不和にも臆しない姿勢を見せている。

 ワガ大統領は、今回の会議の場で首脳らが杜氏よりも格上であり、演説はまず首脳らが優先されるべきということを杜氏は尊重せず、威張り散らそうとしたと非難。「彼(杜氏)は非常に無礼で大騒ぎを引き起こし、一当局者という立場でありながら、かなりの時間にわたって首脳会議を中断させた」「おそらく大国から来たといって、われわれをいじめたかったのだろう」と指摘した。

 中国は2006~2016年、太平洋諸国に推定17億8000万ドル(約2000億円)の援助を実施しており、今回のやり取りは、太平洋諸国の間で影響力を増す中国をめぐる、センシティブな状況が改めて浮き彫りになった。

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