「レゴランドが大幅値下げ」「隣接する商業施設からテナントが撤退」――こんなニュースを目にするたびに「レゴランドってそんなにイケてないの?」という感想を抱く読者も多いのではないだろうか。
記者は東京に住んでいるのだが、3歳になる長男と妻が「レゴランドに行きたい!」と強く希望したため、家族で行くことになった。そのことを周囲の同僚や友人に伝えると「入場料が高いんでしょ?」「閑散としてるんでしょ?」といったネガティブな反応が返ってきた(ちなみに、誰も行ったことはない)。

 ただ遊んで帰るのはもったいないので、現地で見たこと、聞いたこと、感じたことをルポ形式でお届けする。

あおなみ線で金城ふ頭駅に向かう
 9月20日に東京駅を新幹線で出発して、名古屋駅に着いた。レゴランドに行くには、ここであおなみ線に乗り換える必要がある。平日の昼過ぎということもあってか、電車は空いており、すぐに座ることができた。

 「ささしまライブ」「南荒子」「名古屋競馬場前」――途中駅で乗客がどんどん降りていき、車内は寂しい雰囲気になった。記者はここで、東京ディズニーランドに向かう京葉線の車内のことを思い出した。京葉線の車内には外国人観光客や、他の都道府県から来た観光客が一定数おり、全体的にウキウキとした雰囲気が漂うのだが、あおなみ線の車内は真逆なのだ。レゴランドは車で来場するお客が多いからだろう。
安く済ませるために平日に行く
 まず、旅行日を決めるにあたり、入場料を調べてみた。レゴランド・ジャパンを運営するLEGOLAND Japanは18年7月に、1日券の一部を値下げしている。大きな特徴は、繁忙期と閑散期に分けた料金設定を導入し、3~12歳の子ども料金は繁忙期で800円、閑散期で1600円の値下げをするというものだ。閑散期とは主に平日を中心とした営業日のことを指す。

 また、妻が調べたところによると、隣接するレゴホテルも子どもが楽しめる設備が充実しているという。平日だと宿泊費が安く済むので、9月20日(木)にレゴホテルに宿泊し、21日(金)にレゴランドで遊ぶことにした。

当日はあいにくの雨
 終点の金城ふ頭駅に着いた。駅から歩くと、赤や青の原色で彩られた建物が見えてきた。レゴの世界観を踏襲したデザインのレゴホテルだ。当日はあいにくの雨だったせいか、レゴホテルに隣接している商業施設「メイカーズピア」を歩く人もまばらである。

 レゴホテルの入口にはレゴでつくられたキャラクターがいくつも設置されており、レゴ好きな長男は抱き着いて遊んでいた。キャラクターを触ってみると、接着剤のようなものでがっちりと固定されており、ブロックが取れないようになっていた。

 レゴホテル内に入るとまず目に飛び込んでくるのが、“レゴのプール”だ。大量のレゴブロックが敷き詰められており、数人の子どもたちが熱心にレゴブロックを組み立てて車や建物をつくっている。

レゴホテルのサービスは悪くない
 ホテルのロビーでチェックインの手続きをしていると、1歳になる次男が勝手に歩き始め、他の宿泊客にぶつかりそうになった。すると、ホテルのスタッフが事前に制してくれただけでなく、一緒に遊んでくれた。ホテルでの朝食の時もそうだが、どのスタッフも笑顔で子どもを楽しませようとしてくれた。

 レゴホテルには“レゴのプール”のほかに、ジャングルジムのような施設や、プレイステーション4でレゴのゲームが遊べる部屋がある。さらに、水遊びができる「ウォータープレイエリア」(利用は事前予約が必要)や、スタッフと子どもがレゴを一緒に組み立てる「クリエイティブ・ワークショップ」といったイベントも開催している。エレベーターの中や、宿泊部屋にも子どもが楽しめる仕掛けがいくつもあった。家族4人分の宿泊費は、朝食込みで3万7600円だった(料金は予約日などによって異なる)。

午後5時半でラストオーダー?
 宿泊当日、夕食をメイカーズピアにある飲食店でとることにした。子どもが好きな和食が食べられるお店に向かったところ、店員から「ラストオーダーの時間を過ぎています」と告げられた。驚いて時間を確認すると、午後5時45分。この店のラストオーダーは午後5時30分だという。

 メイカーズピアには、ラーメンやステーキを出すお店もあり、こちらは開店しているのだが、子どもを連れて入店できる雰囲気ではない。歩いて行ける場所にファミレスやコンビニも見当たらず、あやうく“ディナー難民”になりかけた。

 子ども連れでも問題なさそうな飲食店を見つけた。店内に客はおらず、がらんとしている。店が暇ということもあってか、店長らしき男性が話しかけてきたので、メイカーズピアの状況についていくつか聞いてみた。

 出店しているお店はレゴランドの閉園時間から1時間経過したら店を閉じていいというルールになっているという。平日はお客が少ないので、本当はもっと早く閉店したいが、仕方なく営業しているところもある。そういったお店がラストオーダーを午後5時30分に設定しているのだとか。また、この飲食店は名古屋の市街地から遠いこともあり、人手不足で苦しんでいる。時給を数百円上げてもなかなか人が集まらないと男性は嘆いていた。

 食事を済ませ、店を出ると大音量の音楽とともに噴水ショーが始まった。しかし、広場に人気はなく、広場に面した店舗にいる客も少ない。噴水ショーを眺めているのは、われわれ以外にはアジア系の観光客と思われる1人だけだった。

自動販売機で売られているペットボトルの価格は?

翌日、朝食をとった後、レゴランドに向かった。入場料は大人が1人5000円(税込、以下同)、3歳の長男はオフピーク料金で3700円、1歳の次男は0円なので合計1万3700円となる。

 レゴランドに入場する際は、入口で荷物チェックを受ける。危険物の有無はもちろん、持ち込みが禁止されている「酒類・飲み物(ビン・カン)」「お弁当」「三脚等の撮影補助機材」などがないかどうかを確認するためだが、バッグの奥まで徹底的にひっくり返されるわけではなく、やや形式的なチェックという印象を受けた。

 レゴランドに入って記者が注目したのは自動販売機で売られているペットボトル飲料の価格だ。当初、レゴランドは水筒の持ち込みが禁止されていたが、現在は可能となっている。自動販売機に行ってみると、500ミリリットル入りの「アクエリアス」や「コカ・コーラ」が220円で売られていた。ミネラルウオーターは「い・ろ・は・す」が200円、容量がやや小さめの「ファンタ」と「Qoo」は180円だった。ネット上ではこの価格が「高い」と批判されていたが、現在も変わっていない。

 次に、施設内の屋台で売られている食品の価格をいくつか調べてみた。スモークターキーが580円、ソフトドリンクは子どもが270円で大人は310円、生ビールが650円、キャンディーが200円、レゴブロックの形を模したポテトフライは450円などとなっている。いくつか注文して食べてみたが、ボリュームと価格の面で、他の遊園地などと比べコストパフォーマンスが特別悪いとは感じなかった。

アトラクションに乗りながら自撮りをする観光客
 当日は小雨がぱらついていたこともあり、それほど客数は多くなく、ほとんどのアトラクションは5~15分待てば乗ることができた。

 あるアトラクションが動いている際中、アジア系と思われる観光客が自撮り棒を使って撮影をしていた。もし、自撮り棒が落ちてしまったら、他の乗客にぶつかりかねない状況だ。そもそも持ち込みは禁止されている。スタッフは日本語で「スマートフォンをしまってください」とアナウンスしていたが、その客は楽しそうに撮影を続けていた。ちなみに、アトラクションを動かす前に、スタッフは日本語と英語で注意事項を伝えているのだが、通じないケースもあるようだ。この点は、改善が必要ではないだろうか。

レゴブロックで遊ぶ間は親が休める

レゴランド内には、いくつかレゴブロックで遊べる場所がある。例えば、ウオータースライダーのように水が流れているエリアでは、子どもがレゴブロックで船を組み立てて、上流から流して遊べる。子どもたちは競うように船を組み立てて、何度も流して遊んでいる。その間、大人は近くの椅子に座ってゆっくりと休憩できる。

 他の遊園地では、アトラクションに乗るために子どもと一緒に並ばないといけないので、親があまり休めない。そのため、こういった仕掛けは親にとってありがたいと感じた。

アトラクションはレゴの世界観に忠実

 レゴの世界観を忠実に再現していることもあってか、どの建物も“張りぼて感”はない。レゴ好きの長男はすっかり魅了されたようで、昼食をとるのも忘れて遊びに熱中していた。

 レゴランドの敷地面積は9.3ヘクタールであり、東京ディズニーランドの約51ヘクタール、USJの約39ヘクタールと比べると小規模だ。総投資額は約320億円となっており、ディズニーランド内で2020年にオープンする予定となっている「美女と野獣エリア(仮称)」の大型アトラクション1つ分だという(出所:レゴランドの「物足りなさ」は計算づくだった)。

 3歳でも楽しめるアトラクションが多く、他の遊園地に比べるとコンパクトなサイズなので、それほど広大な敷地は必要ないのだ。もっと広い遊園地だと、歩き回るだけで親がくたくたになるが、そういった心配はない(もちろん、個人差はある)。レゴブロックで遊べる場所のことも含めて、“親にやさしい”テーマパークだと感じた。

地元民はどう感じているのか
 名古屋に滞在している間、タクシー運転手や地元の人にレゴランドのことをどう感じているのか聞いてみた。皆が口をそろえていうのは「入場料が高い」「ほかの遊園地で十分」ということだ。

 例えば、家族連れに人気のスポットとして、東山動植物園(名古屋市千種区)がある。市の中心部に近く、通うのに便利だ。大人の入場料は500円、子どもは無料となっている。さらに、園内には遊園地もあり、乗り物券が1枚110円で利用できる。

 もう1つはナガシマスパーランド(三重県桑名市)だ。高速道路を使えば名古屋から車で約30分で行ける距離にある。アトラクション乗り放題の入場チケットは、大人が5000円、小学生が3900円、幼児が2300円となっており、レゴランドとほぼ同じ価格帯になっている。アクロバティックなアトラクションがあるだけでなく、温泉施設も隣接しているので、大人も楽しめるのが特徴だ。レゴで遊ぶのは低学年くらいまでなので、純粋に比較することはできないが、レゴランドにとっては競合となる遊園地だろう。

 記者自身の感想としては、“レゴ”というブランドのことを勘案しても、比較的空いている平日に遊ぶ分には価格が高いとも思わなかったが、ここは判断が分かれるところであろう。

 帰りの新幹線、長男は興奮冷めやらぬ様子で「レゴランドにまた行きたい」と話していた。往復の新幹線代がかかってしまうのが気になるが、もう1回くらいなら行ってもいいかなという感想を抱いた。

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