──ドリンク入りタンブラーを持ち込んで注文せずに居座る客に頭を悩ませている
韓国のカフェは紙製やプラスチック製の使い捨てカップが一般的だった。平日正午を回ると早目の昼食を済ませた会社員が殺到する。店内で談笑し、午後の始業に合わせてオフィスに戻るが、量が多いドリンクを好む客が多く、飲みきれない分はオフィスに持ち帰る。短い時間に客が集中する店にとっても食器を洗う手間が省ける使い捨てカップは回転が早く、多くの客を捌くことができたのである。

■ タンブラー持ち込みとノーオーダー

ゴミ問題が深刻化した2018年5月、大手チェーンと環境部は「使い捨てを減らす自発的協約」を締結した。そこでスターバックス、コーヒービーン、ハーリーズコーヒーのコーヒーチェーンはタンブラーを持ち込んだ客には300ウォン、またマクドナルド、バーガーキング、KFCなどは200ウォンを割引くことにしたが、使い捨てカップに慣れすぎていた利用客に定着することはなかった。

カップに注いでからタンブラーに入れ替えるため、効率が悪くなって待ち時間が伸びることも普及の妨げとなった。最低賃金の引き上げで、店がアルバイトを増やす余裕がないという事情も重なっていた。

そして、韓国政府は2018年8月1日から店内での使い捨てカップの使用を禁止した。そのためタンブラーを持参する客が目立つようになったが、ドリンクが入ったタンブラーを持ち込む利用者が増え始めた。インスタントコーヒーを入れたタンブラーを持ち込んでシロップやクリームを利用したり、ココアの粉や緑茶のティーパックを持ち込んで湯だけを要求したりする人たちである。

こうした「ノーオーダー客」は広い店の片隅や2階、3階など目立たたない席を利用する。フリーWi-Fiや電源コンセントを使って長時間滞在する「常連客」はテーブル上の店名入りカップで購入客かどうか判断できたが、タンブラー客は確認する方法がない。

ノーオーダーに対応する規定がないこともマネージャーやアルバイトを悩ませている。コンビニや他のカフェで購入したドリンクを持ち込む客がいても、グループなどの同行者が注文すれば良いと黙認してきたのである。

■ マグカップを嫌う利用客

タンブラーを持ち込む客が増えた背景に衛生面への不安がある。マグカップやガラスコップをきちん洗っているのかという懸念からである。飲食店のなかには客が利用した食器を簡単に水で流すだけで、きちんと洗わない店やなかには水洗いすらしない“食器の使い回し”があるとアルバイト経験者は語る。カフェで供されたマグカップに洗剤や口紅が残っていた例もあると亜細亜経済は伝えている。

さらに、マグカップを持って帰る客も現れるようになった。店で飲みきれなかったドリンクをマグカップごと持って帰る客に加え、コーヒー代が高額なのはカップの代金が含まれているからと主張する‘確信犯’すらいる。スターバックスなど、店内用と記載したマグカップに貼るステッカーを用意した店もあるという。

コーヒー専門店やファストフード店で店内客が使い捨てカップを使用すると、5万ウォンから200万ウォンの過怠金が店側に課されるが、使い捨てカップを強要する客やテイクアウトといって注文しながら店内で飲む客に対応する規定はない。

韓国の大手スーパーは買い物袋が有償で、コンビニも有償が定着してきた。使い捨てカップに環境税を課すなど、利用客の負担を求める声が上がりはじめている。

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20181001-00010006-newsweek-int