【ワシントン=黒瀬悦成】韓国の康京和(カン・ギョンファ)外相は3日、米紙ワシントン・ポスト(電子版)とのインタビューに応じた。康氏は停滞が指摘される米朝核協議の打開に向け、トランプ政権は北朝鮮に保有核戦力や核施設のリスト開示を求めるのを当面控える一方、北朝鮮が北西部、寧辺(ニョンビョン)の核施設を国際査察の下で解体するのを受けて朝鮮戦争(1950~53年)の終戦宣言を行うと取り決め、信頼醸成を進めるよう提案した。

 ポンペオ国務長官は7日に平壌を訪れ北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長と会談する予定。康氏の提案は米政権に局面打開を促す狙いがあるとみられる。

 ただ、米政権は、北朝鮮の完全非核化に向けては核戦力・施設のリスト提出が大前提だと訴えてきた。寧辺の核施設は「核戦力態勢」を確立したと主張する北朝鮮にとって「既に重要性が薄れた」(米専門家)とも指摘され、「終戦宣言の先行実施」を強く求める北朝鮮の意向を反映したともいえる康氏の提案を米政権が受け入れるかは定かでない。

 康氏は、「リスト提出と内容の検証は手間と時間がかかる。前回の核協議もリストの検証に関する手続きを詰める過程で頓挫した」と説明。核戦力・施設の検証は「ある段階で実施する必要がある」としつつ、「行動対行動で十分な信頼関係をつくることで、事態が迅速に進む面もある」と主張した。

米政権内部ではボルトン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)を中心に、終戦宣言に応じれば北朝鮮や中国が在韓米軍の撤収を要求する口実に使う恐れがあるとして慎重論が強い。

 一方で、トランプ氏は在韓米軍について「費用がかかり過ぎる」などとして撤収や縮小に言及していることから、同氏がむしろ終戦宣言に前向きであるとする観測も浮上している。

 康氏は終戦宣言について「政治文書であって法的に拘束される条約ではない」とし、仮に宣言に踏み切っても米国の不利にはならないと主張した。

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