【ソウル時事】国連安全保障理事会による北朝鮮制裁の維持について、国際社会の結束が乱れ始めている。

 中国とロシア、北朝鮮は9日に外務次官協議を開き、制裁見直しを求める共同声明を発表。これに合わせるような形で韓国の康京和外相が10日、国会で独自制裁緩和を示唆し、日米両国の間で不信が高まった。

「われわれの承認なしに彼らは何もしない」。トランプ大統領は10日、ホワイトハウスでこう強調し、独自制裁解除を「検討中」と述べた康氏の発言をけん制した。康氏は「統一省が常に検討しているという趣旨だった」などと釈明したが、米側との擦れ違いはこれにとどまらない。

 康氏によると、南北軍事当局が9月19日に署名した「軍事分野の合意書」をめぐり、ポンペオ国務長官は直前の同17日に行った電話会談で不満を表明していた。

 韓国紙・中央日報によると、韓国国防省は同16日に合意書案を在韓米軍に説明。南北軍事境界線付近での飛行禁止区域設定などが盛り込まれており、米側は北朝鮮への監視能力が低下すると懸念したとみられる。

 韓国政府は今月11日、独自制裁解除は「検討していない。政府の基本的な立場だ」(趙明均統一相)と明言、米韓の不協和音の火消しに追われた。一方、北朝鮮は「後ろ盾」の中国やロシアとの連携を深めている。

 北朝鮮外務省の崔善姫次官は4日から中ロ訪問を開始。朝鮮中央通信によると、9日に発表された3カ国の共同声明は、北朝鮮が「有意義かつ、実践的な非核化措置」を取っており、「適切な時期に制裁の見直しを始める必要性について見解の一致を見た」と明記した。各国の独自制裁に反対する立場も強調した。

 トランプ政権と足並みをそろえる日本も、北朝鮮の非核化に向けて「(制裁)決議の完全な履行が重要だ」(菅義偉官房長官)との姿勢を堅持している。だが、2度目の米朝首脳会談に向けた調整が進む中、北朝鮮ペースでなし崩し的に圧力緩和のムードが広がる恐れもある。 

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