9月に日本を訪れた外国人観光客の数が前年同月を下回ったという。

政府観光局の10月16日発表によると、9月の訪日外国人客数の推計値が前年同月比5.3%減となる216万人だったという。前年同月を下回ったのは、2013年1月以来のことらしい。

ただ原因ははっきりしている。台風や地震の影響だ。

政府観光局は「台風第21号の影響による関西空港の閉鎖や北海道胆振東部地震の影響による新千歳空港の閉鎖等により、航空便の欠航や旅行のキャンセルが発生した」と伝えた。

では、もっとも大きな減少を見せた国はどこだろうか。

大阪好きな韓国人
伸率を見るとマイナス23.8%の香港が一番大きかったが、減った人数は3万9313人だ。単純に減った人数だけで考えると、伸率マイナス13.9%で7万7000人以上も減った韓国がもっとも多い。

政府観光局が指摘したように、「関西空港の閉鎖」の影響はかなりあったのではないだろうか。というのも、大阪は韓国人観光客がもっとも好む観光地のひとつだからだ。

韓国のオンラインショップ「チモン」によれば、9月22~30日の秋夕(チュソク)の連休期間にもっとも売れた海外航空券は、1~3位を日本が独占。3位東京、2位福岡で、1位は大阪だったという。

(参考記事:わさびテロ、不適切アナウンス、理由なき暴行…それでも韓国人が大阪を愛してやまないワケ)

それだけに台風の影響を間接的に受けた韓国人観光客がいたことは、容易に想像できる。

地震に過敏反応する理由
また、地震に対する不安も遠因かもしれない。

長らく“地震安全地帯”といわれていた韓国だが近年、地震の発生回数が増加している。

韓国気象庁によると2.0以上の地震が観測されたのは、1980年代は16回にすぎなかったが、2000年代には44回、そして2010~2014年は58回となっている。昨年11月に起きたM5.4級の浦項(ポハン)地震で、韓国社会に大きな不安が広がったことも記憶に新しい。

(参考記事:「もしソウルで大地震が起きたら…」韓国がM5.4の地震で不安が拡散してしまう理由)

そんな韓国の実情があるところに、北海道で大きな地震があったことになる。とある韓国メディアは「(地震発生当時に)日本を旅行中だった韓国人観光客たちは不安を隠せなかった」として、SNSにアップされていたコメントを紹介。「日本の地震を実際に体験して、本当に怖かった」「東京のホテルに泊まっていたが、怖くて眠れなかった」といった声が多かったという。

韓国KBSなどは、「短期間に外国人観光客が再び日本に戻ってくることは難しい状況のなかで、観光客が日本のかわりに韓国などに向かうという分析も出ている」と報じていたほどだが、それは拡大解釈過ぎるだろう。地震や自然災害の多さのせいだけで、観光客が日本から韓国に鞍替えするとは考えにくい。

それに、今後も日本に来る韓国人観光客が大幅に減るかというと、そんなこともないだろう。

というのも、前出の地震が起きた際のSNSでも、「それほど大きく揺れなかった。日本の建物の耐震設計がすごい」「日常的に地震があるから対策もしっかりしている」という意見が多数あった。

日韓関係の影響は?
今年1~9月で見れば訪日した韓国人観光客数は570万人に上り、前年同期比9.2%増と日本旅行の人気は高い。単純計算で毎日2万人もの韓国人が訪れていることになる。

韓国のブロガーたちは日本で必ず購入すべき「日本の商品」をレビューし、また韓国芸能人が日本を訪れることも多い。さらに最近は「韓国の若者に“日流ブーム”…日本の小説で地方旅行の人気上昇」(『ニュースピム』)といった記事があるように、大阪や東京だけでなく、地方都市を訪れる人も増えているのだ。

このところ政府レベルの日韓関係の葛藤はあるが、日韓関係に対する韓国人の意識は日本と異なる部分も少なくないため、今後も訪日する韓国人が大きく減るとは考えづらい。

(参考記事:日本5%vs韓国56%という意識のズレ…なぜ韓国人は「日韓関係は今後良くなる」と考えるのか)

いずれにしても5年8カ月ぶりに前年同月を下回った訪日外国人客数。なかでも大きな比重を占める韓国人観光客の推移に注目してみたい。

https://news.yahoo.co.jp/byline/shinmukoeng/20181022-00100949/