キッシンジャーが名誉会長の外交専門誌「ナショナル・インタレスト」のF-35論
外交の巨人と呼ばれるキッシンジャー元米国務長官が名誉会長を務める、米国の外交専門隔月誌「ナショナル・インタレスト」誌が「ロシアのミサイルは本当にイスラエルのF-35に命中したのか?」という記事を掲載した。

同誌によれば「ロシア寄りのメディアが、シリアで航空高下中のイスラエル空軍のF-35Iステルス戦闘機に、ロシア製のS-200地対空ミサイルが命中し、ダメージを与えたと主張した」というのである。

同誌が例にあげているのは「SOUTH FRONT」というサイトだが、そこには2017年10月17日付で「イスラエルは、シリアのS-200ミサイルで最新のF-35戦闘機に命中したことを隠している」との記事があった。

2017年10月16日の早朝、レバノン上空を飛行中のイスラエル軍機に、地対空ミサイルが発射された。「命中なし」とイスラエル軍は発表。
このミサイルは、旧ソ連製のS-200(=SA5ガモン)と見られるが、その後、イスラエルのメディアはF-35Iの1機が、訓練飛行中の「鳥の衝突」で任務遂行不能となったと報じている。

時期は、イスラエル軍機にミサイルが発射された時期に一致。さらに、F-35のメーカーは2009年に「F-35エアフレーム構造とキャノピーは激しい鳥との衝突に対応、構造解析とテストによって検証された設計基準」との報告書を出している。

内容は「イスラエルは、鳥と衝突したというF-35の画像を発表していない」というものだった。つまりF-35Iは、鳥との衝突があったとしているが、本当はシリア軍のS-200迎撃ミサイルで損傷したのではないか、という主旨なのだろう。

1960年代の対空ミサイルで最新鋭ステルス機が狙える?
S-200と言えば、1960年代にまで遡る旧ソ連の代表的な地対空ミサイルだが、レーダーに映りにくいはずの最新のステルス機が、1960年代の地対空システムのレーダーに捕捉され、命中するということは本当にありうるのか。

「ナショナルインタレスト」誌は、「イスラエルのメディアによれば、F-35Iに鳥が衝突したのは、(シリアがS-200を発射した)2週間前で、当該機は無事に着陸したとしている」と述べており、S-200で損傷したとの見方はとっていない。

むしろ、外交専門誌らしく「興味深いのは、F-35が米国の技術的優位性や無能力の象徴となっていることで、F-35が戦闘で傷ついたり撃墜されたりするという噂が注目されること。ロシアとその支援者は、F-35が打撃を受けたとの示唆を喚起し、F-35のグループがそれに応じて反対することは間違いないだろう」と国際社会での「噂」について、注意を喚起していること。

F-35は、単なる兵器では無くなり、国際政治上の存在になっているということだろうか。しかし、イスラエルのF-35Iが本当に「鳥との衝突」で、任務遂行不能になっても、無事に着陸したという実績を残したのなら、日本にとっても興味深いことだろう。

鳥との衝突で、航空自衛隊のF-35Aが任務遂行不能になったのであれば、その運用に影響が出るかもしれないが、それでも基地に戻ってこられるなら、パイロットと機体の無事というのは、重要だからだ。

ペンス米副大統領の搭乗機C-32Aは「最高機密」通信可能機

地上から発射される地対空ミサイルの脅威から、航空機をどのように守るか。興味深い例として、11月12日にペンス米副大統領が訪日にあたり使用した、要人輸送機C-32Aがある。

旅客機のボーイング757と基本的に同じ機体だが、機体の上部に1個または2個のコブ状の出っ張りがあり、ペンス副大統領は、コブが2つのC-32Aを利用した。

航空軍事評論家・石川潤一氏:
このタイプのC-32Aは、たった4機しかない“TS/SCI(最高機密/機密区分情報)通信が可能なワイドバンドの衛星通信アンテナを増設”したタイプである。

つまり、それだけ秘匿性が高いオペレーションが出来るということだろう。また、石川潤一氏によると、このC-32Aは尾翼の後ろに、「AAQ-24(V)DIRCM SLTA」という、赤外線センサーとレーザーの照射装置が一体化した装置がついているという。
近づく対空ミサイルを赤外線センサーで捕捉し、その対空ミサイルのセンサーにレーザーをぶつけて、そのミサイルを狂わせるという仕組みだ。

国産の機体防御用レーザー装置は、新政府専用機に搭載されるか
つまり、レーザーで近づくミサイルを撃つ、というわけだが、日本でもこのように航空機を防御する仕組みの検討が進んでいるという。

先日、防衛省・防衛装備庁が行った「防衛装備シンポジウム」では、その原型が展示された。
FNNプライムオンラインのインターネット番組「能勢伸之の週刊安全保障」宛に、視聴者の「わいえす」さんから画像をツイートして頂いた。

わいえすさん:
対MANNPADS(個人携帯防空システム)用の自己防御装置。目標の探知後、レーザーを用いてシーカを妨害するシステム。ちなみに触ることもでき、上下に向けることができました。

このような装備は、今度機種が代わる新政府専用機への搭載可能性が検討されるのかもしれないが、海外路線を飛ぶ一般の旅客機にも必要な装備となるのかもしれない。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181118-00010000-fnnprimev-int&p=2