離陸前に放映される機内安全ビデオを、ANA(全日空)が一新します。テーマは日本の伝統芸能である「歌舞伎」。松竹の全面協力と歌舞伎俳優の尾上松也さん監修により、「六方(ろっぽう)」や「見得(みえ)」といったその要素が盛り込まれました。国内線は2018年12月1日(土)から、国際線は2019年1月1日(火・祝)から「歌舞伎バージョン」になります。

機内安全ビデオの変更は、主に航空法が改定された際(乗客に伝えるべき内容が変更されたとき)などに行われますが、今回は異なります。2017年度より、「安全と品質・サービスの総点検」に取り組んでいるANA。「機内での安全に関わる大切な情報を伝える」という重要な役割がある機内安全ビデオについても、より分かりやすくし、確実に乗客へ伝えるとともに、興味を持って見てもらえたら、という思いから今回、変更に至ったそうです。

またANAによると、こうした背景に加えて「ブランディング」(認知度やイメージの向上)も狙いのひとつだそうです。海外において「ANA(All Nippon Airways)」という名前だけではどこの国の航空会社か分かりづらい、日本の航空会社として認知してもらいづらい、という状況もまだあるとのこと。そこで、海外において「日本」を象徴するひとつとして知られている「歌舞伎」をテーマにした機内安全ビデオにすることで、高品質な日本のエアラインであることを広く伝え、より浸透させたいという狙いもあるといいます。

訪日客が増加しているいま、こうした「日本」らしい機内安全ビデオは、ANA、そして「日本」に、より興味を持ってもらうためのツールになると、また日本人にとっても「日本」の魅力を再認識できる機会になればと、ANA CS&プロダクト・サービス室の室長でブランド戦略部の部長である阿瀬尚行さんは話します。

 ちなみにANAは、歌舞伎座のオフィシャルパートナー。また、現在のANA機内安全ビデオは2015年2月1日、客室乗務員の制服変更にともなって導入されたものです。

機内安全ビデオ、航空会社の悩み ANAの工夫
安全や保安の大切な情報を伝える機内安全ビデオ、航空会社にとっては「いかに見てもらうか」が重要です。

 ANAによると今回の「歌舞伎」採用は、エンタテインメント性を盛り込むことによって機内安全ビデオへの注目を高めたい、という狙いもあるとのこと。そしてこれ以外にも、より「注目してもらうための工夫」をしているといいます。

 このたび登場するANAの機内安全ビデオは大きく3種類あり、それぞれビデオの最初と最後に登場する客室乗務員と、音楽が異なるのです(本編の内容は共通)。

「『1回見たから……』となることなく、『前に乗ったときとちょっと違う!』とお客様により注目していただくため、少し遊び心を入れて3パターン制作しました」(ANA 阿瀬尚行さん)

 客室乗務員は、ANA便を運航するANAとANAウイングス、エアージャパンの3社から1名ずつの出演で、音楽も「『歌舞伎』らしいもの」と、それをベースに「テクノやハウスミュージックのテイストをミックスしたもの」「クラッシックミュージックのテイストをミックスしたもの」と、それぞれで別。この3種類のうち、どれが流れるかについては「乗ったときのお楽しみ」だそうです。ビデオの長さは4分15秒で、従来から変更ありません。

 なお、出演している客室乗務員は3名とも現役。搭乗したときに出会えるかもしれません。ちなみにANAとANAウイングス、エアージャパンの客室乗務員は、合計で9200名ほど(2018年4月1日時点)在籍しています。

 また降機時には、このビデオのメイキング映像が機内で放映されます。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181127-00010000-norimonov-bus_all&p=1

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