世界最大のごみ投棄国で環境意識が高まったおかげで、行き場のなくなった韓国の廃棄物はフィリピンへ不法に輸出された──

フィリピン国民の間で反韓国、嫌韓国の感情が高まりをみせている。韓国から輸入された「再生可能なプラスチックごみ」のはずが、実は「再生不能の産業廃棄物」で、しかも約6500トンという大量のゴミだったからだ。韓国の送り業者がはっきりしない中、行き場を失ったハングルのかかれた大量のゴミは集積所などで悪臭を放ち、蚊やハエを発生させ、周辺住民に深刻な影響を与え始める環境問題に発展している。


「フィリピンは韓国のゴミ捨て場なのか。早急に回収し、責任の所在を明確にせよ」と環境団体などの呼びかけで在マニラ韓国大使館にデモが押しかける騒ぎになっている。

2018年7月と10月の2回にわたって韓国からフィリピンの産業廃棄物輸入業者のもとに届いたコンテナには再生可能な空のペットボトルなどの「プラスチック類のかけら」が入っているはずだった。フィリピン税関当局への書類にもその記載があった。

ところがコンテナを開封したフィリピンの業者は中身が書類上のものとまったく異なることに仰天した。積み荷は輸入禁止の再生不可能な産業廃棄物や木材、洗濯機などの電化製品といった単なる「ごみ」で、輸入業者は「契約と異なる」として税関当局に被害を訴えた。

■韓国政府に回収を要求

調査に乗り出した税関当局は、韓国側の輸出元が意図的にそうした「ごみ」を輸出したのかどうかは不明としながらも、韓国政府に対して厳しく抗議するとともに「ごみの早急な韓国への回収」を要求する事態となった。

税関当局の調査では韓国からのゴミは7月20日と10月20日の2回に分けてフィリピン南部ミンダナオ島の北部に位置する東ミサミス州の港にあるフィリピン側の輸入業者に届いた。ゴミは合計6500トンで、5100トンと1400トンに分けて送られた。

このうち5100トン分のゴミは輸入業者が所有する45000平方メートルの敷地に野積みにされ、高温と降雨などで悪臭が充満。水溜りでは大量のハエや蚊も発生するなど周辺住民の生活に影響を与え始めているという。

残る1400トンのゴミは陸揚げされたものの港のコンテナターミナルに51個のコンテナに入った状態で放置されたままになっているという。

こうした自国で処理できないゴミをわざわざ書類を偽ってまでフィリピンに押し付けるような韓国のやり方を地元マスコミも一斉に報道、韓国を批判したこともあり、国民の不満が爆発した。

その結果、11月15日にはフィリピンの環境保護団体約140の連合体である「エコウェスト連合」の呼びかけで群衆がマニラ市内の韓国大使館前に集まり、抗議の声をあげた。さらに11月28日には「クリスマス前のゴミの韓国送還」を求めるデモ隊がフィリピン関税庁前にも押しかける騒ぎとなった。

こうしたフィリピン側の強い反発を受けて韓国政府環境部もようやく重い腰を上げて大量のゴミの送還に向けた手続きを開始した、と地元マスコミは伝えている。

海洋プラスチックごみの大半はアジアから
海洋保護団体「オーシャン・コンサバンシー」は、毎年世界の海洋には世界各国から約800万トンのプラスチックごみが流れ込んでおり、その半数近くがアジアからと指摘されている。

海洋汚染の犯人と指摘されたアジアだが、なかでも中国、インドネシア、タイ、ベトナムそしてフィリピンが流出大国だという。

ところがゴミのもとであるプラスチック製品の大量廃棄国であり、一方で大量生産国としてリサイクルのため海外からプラスチックごみを受け入れてきた中国が、2018年1月突然プラスチックごみを含む産業廃棄物の輸入を全面的に禁止した。

このため韓国の産廃業者が中国に代わる輸出国としてフィリピンに大量の産廃を「輸出」したとの見方が強く、今回発見された6500トンは氷山の一角で「実際にはさらに多くの産廃が韓国から来ている可能性がある」として税関当局は調査の徹底と監視の強化を進めている。

■大量のプラスチックごみはクジラを殺す

海洋に投棄されたプラスチックなどのごみは、ただ海を汚すだけでなく海洋生物を殺す凶器でもある。11月18日にインドネシア・スラウェシ島の東南スラウェシ州ワカトビの国立公園内でクジラの死骸が発見され、解体調査したところ胃の中から大量のプラスチックごみが見つかり、世界中に報道された。

この時のクジラは体長9.5メートルのマッコウクジラで胃から回収されたプラスチックゴミは約5.9キロだった(「死んだクジラの胃から大量プラスチックごみ 深刻なごみ対策にインドネシア、バスのフリーライド導入」)。

クジラはごみを食べ物と勘違いして飲み込み、それらは消化されず胃の中に残るため、満腹を感じたクジラは食べ物を取らないまま栄養失調になったり、消化器官の炎症を起こすという。

2018年の5月にはタイ南部の運河で衰弱したゴンドウクジラが発見され、保護後に死亡した。死後調査のため解体したところ腹部からレジ袋80枚などプラスチックごみ8キロが発見された。

このように東南アジアでもプラスチックごみの海洋汚染、海洋生物への影響は深刻化しており、各国でプラスチック製品の使用自粛が進むなか、産業廃棄物を偽装して他国に押し付けようとする韓国の姿勢は厳しく指弾されるべきで、フィリピン国民の憤りを韓国側は真摯に受け止めることが求められている。

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20181217-00010008-newsweek-int&p=2


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