勝手なイメージが一人歩きしている「部落」。部落という言葉について、詳しく知らない人も多い。いったい「部落」とは、どのような意味を持つのだろうか。

 「部落」とは、部落の発祥や起源には諸説あるが、江戸時代以前の身分制度のもと「穢れている」など、排除されてきた人々が居住している場所(部落)をさす。「部落問題」は、その地域に居住する人々や、そこにルーツを持つ人々に対して、受けるべき権利が奪われてきた問題のことである。

 第二次世界大戦後、日本国憲法における「基本的人権の尊重」が宣言され、社会階級制度が消失した後も、多くの課題が残った。その後、1969年に「同和対策事業特別措置法」が制定。2016年に「部落差別解消推進法」が公布・施行された。

大坂府出身で教育コーディネーターとして活動する武田緑さんの母親は部落出身であり、武田さん自身も大阪の部落で生まれ育った。武田さんによると「『血や死は穢れがうつる』と言われていた平安時代、死んだ動物の処理や、その処理にともなった皮で何かを作るなど、特殊な技能を持った人たちがいた。その人たちが住んだ地域が部落の発祥」だという。

武田さんは「小さいときから(部落に対して)肯定的なアイデンティティを持てるような教育を受けてきた。あまりコンプレックスに思うことなく育った」と話す。武田さんによると、部落に住む人たちは、差別を受けてきた祖先のルーツも含めて、部落出身だということを自身のアイデンティティにしている人もいるという。

 「毎年学校の壁に『部落の学校消えろ』と落書きをされたことがあった」と子ども時代を振り返る武田さん。当時、落書きを見ても、武田さん自身は「しょうもないことをするやつめ」と傷つかなかったという。しかし、周りの友達の中には落書きの内容をダイレクトに受け止めてしまい「自分を否定されたように感じて泣いている子もいた」と話した。

 部落解放同盟大阪府連合会の青年部長として活動している藤本真帆さんは、自身の生まれ育った環境について「市営住宅だけが建っている地域や、と場(食肉加工場)が近い場所もある」と説明。周辺に住む人々からは「あそこは部落だからね」などの口伝えが続いており、部落に住む人もその周りに住む人も「部落」という意識を持っているという。

一方で、部落の情報発信サイト「BURAKU HERITAGE」のメンバーである上川多実さんは「周りが部落だとレッテルを貼ることで、そこに引っ越したら自分もレッテルを貼られると思って住みたがらない人もいる」と話す。結果、外部から人が引っ越してこないため、家賃は下がる。

 上川さん自身は東京出身だが、両親は関西の部落出身者であり、東京で出会って結婚をしたという。上川さんは「学校で部落を肯定的に教えてもらったり、同じ環境の人にフォローしてもらったりなどはなかった」と振り返る。

 部落問題によって、現在もさまざまな差別を受けている地域を「被差別部落」という。全国に部落は存在する(北海道、沖縄は除く)。

 時代の流れによって風化してきたとはいえ、未だに差別が残る地域も存在する。顔を出して部落出身だと公表している理由について、武田さんは「部落(出身)ですって言うと、相手に『部落って何?』と聞かれて、うまく説明できなかった。部落って聞かれたときに『この人やで』『場所はここだよ』っていう出会いをつくりたい」と胸の内を告白。武田さんは正しく歴史を伝え、交流を作る活動をしている。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181222-00010004-abema-soci&p=2


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