河野太郎外相は23日、韓国海軍の駆逐艦が海上自衛隊の哨戒機に火器管制レーダーを照射した問題について「日韓関係を前向きに進めるためにも政府一丸となった対応を(韓国側に)お願いしたい」と述べた。外務省の金杉憲治アジア大洋州局長が24日にソウルで行われる日韓協議でこの問題を提起するのを前に、直接的な批判を抑制したとみられる。

 北アフリカ3カ国歴訪前に羽田空港で記者団に語った。外務省は事前に「韓国海軍レーダー照射に関する記者会見」と説明していたが、河野氏はレーダー照射について「日本海上での事案」とあいまいな表現にとどめた。

 24日の金杉氏と韓国外務省局長との会談について、河野氏は「既に抗議は行っており、しっかりと意見交換するよう指示した」と表明。レーダー照射が意図的だったかどうかに関しては「技術的なことは防衛省がしっかり対応してくれると思う」と述べ、自身の見解は示さなかった。

 日本企業に元徴用工への賠償を命じる韓国最高裁判決が10月に出て以降、河野氏は「暴挙だ」「日韓関係の法的基盤を一方的かつ根本的に毀損(きそん)する」などと厳しく批判してきた。さらに韓国政府が元慰安婦を支援する財団の解散を一方的に発表すると「さまざまな未来志向に反する行為があった」と非難した。これに対し、韓国側は「失望を禁じ得ない」「国民感情を刺激する発言」などと反発した。

 しかし、河野氏は今月15日の会見で、元徴用工に関する判決を受けた韓国政府の対応を「せかすつもりはない」と発言。「直ちに適切に対処しなければ両国の関係が非常に厳しくなる」という従来の姿勢を軟化させた。22日の会見でも「来年は未来志向の日韓関係を築くことができる環境になったらいい」と述べた。

 日本側は韓国政府に元徴用工への賠償の肩代わりなどを求めてきた。韓国側は知日派の李洛淵首相を中心に検討を進めているが、年内に結論が出るめどは立っていない。河野氏は、韓国側をこれ以上刺激して日本企業の資産差し押さえなどの動きにつながれば、今後の対応がさらに難しくなると判断したようだ。

 23日も「日本政府としては李首相のもとでしっかりとした対応が行われると考えている」と韓国側の対応を見守る考えを示した。【秋山信一】

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181223-00000041-mai-pol


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