ジャーナリストの須田慎一郎がニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。三・一運動から見る文在寅政権の危険な在り方について解説した。

韓国文大統領、三・一運動100周年演説を読み解く

韓国の文在寅大統領は、1日に行った三・一独立運動の100周年記念式典での演説で、現在の日本を直接批判せず、協力強化の方針を明言した。ただし、日本統治時代の被害者らの苦痛をいやしたとき韓日は真の友人となると、日本に協力を暗に求めている。

飯田)直接的な言葉による日本批判は無かったけれども、ということですが。

須田)その前段として、文大統領は「親日を清算するのだ」と言っています。「親日の残滓(ざんし)清算はあまりにも長く先延ばしにされてきた課題だ」という表現のなかで、親日清算…別にこれは日本と親しい人たち、或いは親しい政治家を追放するとか止めさせるということではなくて、戦後の韓国の独裁政治時代に日本との関係を深めた、韓国のなかのそういう人たちを変えて行くということだろうと思います。
それは何を意味するかと言うと、独裁政権下時代に親日の人たちがやっていたことに関しては、全否定に入って来ているわけです。ですから戦後賠償も含めてそういったものが否定されているのもそこにあるし、或いはいわゆる徴用工問題、従軍慰安婦の問題、過去に決着のついた問題であるにもかかわらずもう1回蒸し返しているのは、かつてそういった韓国内の親日の人たちが、日本とやり取りして来たからだという背景があるのです。

親日を清算~過去に日本と結ばれた条約などをもう1度検証する

須田)でも日本批判はしていないから少しは日本との関係改善に入るのかと言うと、どうもそうではない。もう一方の演説を見ると、過去日本との間に結ばれた条約や約束事、決め事はもう1回検証する、過去に遡るということになりますので、ここはどうなるのかという話です。

飯田)むしろ逆の宣言みたいなものですね。でも、須田さんが指摘された軍事政権時代のものの否定に入るということですが、軍事政権は80年代の終わりまで続いて来た。と言うことは、過去30年は良いとして、それよりも前のことは全部否定するということになってしまいますよね。

須田)これは対日問題だけでは無くて、韓国の国内問題に関しても軍事政権独裁時代に決めたことはもう1回チェックし直しているのです。当時、法的に大法院で決着のついた問題も軍事政権時代に決着がついたものなら、もう1度検証し直して逆転判決が出ているという、とんでもない価値の転換が相次いでいるのです。

飯田)そうなのですか。

須田)そうなのです。日本だけでは無いのですよ。

飯田)対外では無く、むしろ国内の方。でもそうなると、法の安定性と言うか、国の安定性みたいなものが無くなってしまいますよね。

須田)だからある意味で、革命と言われるものがそこにあるわけですよね。

飯田)価値観から何からひっくり返してしまおうと。

須田)過去の全否定ですから。

飯田)ドラスティックですね。と言うか、急進的過ぎませんか?

須田)滅茶苦茶です。国内でそれをやるなら良いですが、外国にまで求めるのは国際法上どうなのか、その整合性をどう取って行くのか。それについては、文大統領もきちんと自分の考えを表明しなくてはいけないと思いますけれどね。

親日清算を掲げて政権基盤を強固にしようとする文在寅大統領

飯田)その延長戦上で行くと、米韓の軍事同盟も軍事政権下に結ばれたもので、それは朝鮮戦争を共に戦ったというように建前上なっていることがあるからそうなるのだろうけれど、それすらも吹っ飛ばすということですか。

須田)そうですね。軍部のなかの保守派、これがイコール親日派になるのですけれど、こういった人たちもどんどんパージされて行っています。或いは自ら辞表を叩きつけて辞めています。いまは韓国の軍隊のなかにも、文大統領に忠誠を誓う人たちがどんどん増えて来ている。韓国の国家情報員、悪名高き旧KCIA、これも4年以内に清算、解散という方針を示しています。文政権以前の体制の全否定に掛かっていると考えて良いと思います。当然、米韓の軍事同盟も見直しということになる。

飯田)韓国は民主的な選挙が行われるようになってからも、保守と革新がぶつかり合うところがありましたけれど、例えば盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権もここまで急進的なことはやらなかったのではないですか? やろうとはしていたのですかね。

須田)そういうトレンドや方向感はあったでしょうけれど、それをやってしまうとかつてのようにクーデターが起こりかねない。政権基盤の問題から考えて、それはできないということだったのだろうと思います。

飯田)まずは親日清算を掲げながら軍に手を付ける。そこから始めるのは、権力基盤を固める為でもあるのですか?

須田)そうですね。いまの韓国の国防部はほとんど「親文」と言っても良いと思います。

飯田)レーダー照射の一件など日本への当たり方を考えても、結局あのようにしないと自分たちも生き残れない部分が韓国軍にもあるのですかね。

須田)ええ。やむにやまれぬと言うよりむしろ積極的に、出世を望むのであればそう動いた方が、自分たちにとって得ではないかと考え始めている部分もあります。

飯田)でもそれは危ないと言うか。

須田)危ないですね。

経済の混乱から、国民が矛盾に気付くきっかけになる可能性も

飯田)では日本が日本を守ることを考えると、ちょっと環境が変わって来ますよね。

須田)ですからこれは一過性では無くて、価値の大転換が起こっているのだと思います。

飯田)文在寅さんもそうですが、かつて70年代、80年代に学生運動をして来た人たちが国の中枢に入って来ています。かつて韓国に駐在していた人たち、彼らが韓国を牛耳るようになったら日韓関係は大変なことになると予言をしていたと本で読んだのですけれど、正にそうなって来ている。

須田)若い人たちも例の蝋燭デモを見ると、そういうところに発想も思考形態もぐっとシフトし始めているのですよ。

ただ唯一言えるのは、ある種の理想主義ですから、いま韓国の経済は混乱しています。国民生活が混乱している。それが矛盾に気付くきっかけになる可能性もあります。

(3月4日 ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」より)

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