海上自衛隊は新たな防衛計画の大綱が適用される来年度以降、省人化の取り組みを強化する。乗員を半分程度に減らせる新型護衛艦を22隻建造するとともに、休養時間を確保するために乗員を途中で入れ替えるクルー制を導入。無人哨戒機の導入も検討する。背景には、警戒監視などの任務が増大する一方で、少子化で隊員募集が困難になっている状況がある。

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 新型護衛艦は今年度予算から取得が始まった。船体のコンパクト化を図り、乗員は現在の護衛艦の半分程度の約100人でも運用できるようにする。機雷を排除する掃海艇の機能も併せ持ち、駆逐艦(DD)よりも小型のフリゲート艦の頭文字を取ったFFMを略号とする。海自は昨年度末に47隻だった護衛艦を今後10年間で54隻まで増やすが、このうち22隻をFFMにする方針だ。

 海自は主にこのFFMを対象に、ヘリコプターなどを使って護衛艦の乗員を任務途中で入れ替えるクルー制を導入する。これまでは艦艇ごとに乗員が固定されており、休養のためには停泊しなければならなかった。クルー制にすることで、乗員の洋上勤務期間を短縮し、陸上での休養日数を増やしたい考えだ。

 近年は中国海軍の活動範囲が拡大したことに伴い、海自の警戒監視任務も増大。国連の経済制裁を逃れるための北朝鮮による洋上取引の監視任務なども加わったことで乗員の負担が増し、十分な訓練時間の確保も難しくなっている。

 このため、警戒監視任務に特化した哨戒艦も12隻導入する。海上保安庁の巡視船並みの乗員約30人、排水量1000トン級の小型艦を検討している。哨戒艦導入により、他の護衛艦が訓練などに当てる時間を増やすことができるという。さらに無人化技術の導入も推進し、他国艦艇を上空から監視する無人の滞空型哨戒機の導入に向けた検討も始めている。


 一連の施策について海自幹部は「人の確保が最大の要因だ」と話す。少子化などに伴い、隊員の募集環境が厳しくなっているが、特に洋上勤務の長い海自は募集に苦戦している。部隊の中核を担う一般曹候補生の応募倍率が昨年度は陸自(5・7倍)や空自(11・8倍)を大きく下回る2・5倍だった。

 海自は今年度、艦内の無線LANで家族とメールをできるようにするなど勤務環境の改善に努めているが、海自幹部は「現在の約4万5000人の定員をいつまで維持できるか分からない。防衛力の整備には時間がかかるので、今から省人化の態勢作りを進めておく必要がある」と話す。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190319-00000024-mai-soci


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