県は津波の浸水想定区域を十二年ぶりに見直し、二十日に公表した。福島県周辺海域で東日本大震災と同じマグニチュード(M)9クラスの地震が発生し高潮などの条件が重なった場合、津波は相馬市で最大二二・四メートルを記録し、沿岸十市町の浸水面積は一万四千二百十九ヘクタールとなる。震災時の被災面積約一万一千二百ヘクタールを約三割上回る。県は各市

町に通知し、住民の安全な避難誘導に向けた津波ハザードマップなどの策定を促す。

 県の浸水想定区域は三陸沖を震源とする震災級(M9・0)の地震と、房総沖が震源の地震(M8・4)が起きた場合に分けて試算した。房総沖地震では四千五十一ヘクタールが浸水する。二つの地震による津波浸水区域を重ね合わせると、被災範囲は最大で一万四千二百九十六ヘクタールに上る。最大のケースの浸水想定区域は【図】の通り。

 震災級の地震発生時、東京電力福島第一原発の敷地内は津波に伴う水深が五メートル以上十メートル未満となる。津波の高さは相馬市の相馬海岸が最大となり、南相馬市の鹿島海岸で二二・一メートル、大熊町の大熊海岸で二一・八メートルを記録する。房総沖地震でも、いわき市の磐城海岸で一四・九メートルとなり、いずれの地震でも大規模な津波が起きると試算している。

 県は二〇〇七(平成十九)年に初めてまとめた浸水想定区域では、岩手県沖で発生する明治三陸タイプ地震(M8・6)など三つのケースを想定していた。だが、二〇一一年三月に想定を上回る巨大地震が起き、津波と東京電力福島第一原発事故により甚大な被害が生じた。

 今回の見直しは、海岸堤防や防災緑地による減災対策が進んでいる現状を踏まえた。ただ、潮位が震災時より約一・二メートル高く、沿岸部の地盤が五十センチ超沈下したとの前提で試算しているため、震災の被災面積を超える結果となった。

 政府は二〇一一年十二月、震災を教訓に津波対策を強化するため津波防災地域づくり法を施行した。国土交通省によると、同法に基づき浸水想定をまとめたのは福島県を含め三十六道府県となった。

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