生物の遺伝子を狙い通りに効率よく改変できる「ゲノム編集」技術を使った食品に、同技術を使ったとする表示の義務を政府が検討していることが23日、分かった。ゲノム編集食品は今夏にも解禁され、市場に流通する見込み。消費者へ適切な情報を提供し、懸念を払拭する狙いがある。

 ゲノム編集食品については、厚生労働省の専門家会議が18日に報告書をまとめ、開発者らは同省の調査会に情報を届け出るだけで販売できるようにした。調査会に報告する内容は、食品の品目・品種名、ゲノム改変などだが、食品への直接表示については「管轄外」として報告書に記載されなかった。

しかし、関係者によると、消費者団体などから「発展途上の技術で不安」などの意見が寄せられており、消費者が適切に選択できるように表示を義務化することも含め、厚労省と、表示を管轄する消費者庁などが協議しているという。

 ゲノム編集技術の一環である「遺伝子組み換え」の食品については、平成13年から表示を義務化。対象は大豆、トウモロコシ、ジャガイモなど8種類の農産物と、これらを原材料とした加工食品に限定されている。

 ただ組み換え以外のゲノム編集は、自然界で起こる突然変異と区別が付かないことから、ゲノム編集食品の表示の義務化には、抵抗する意見もある。

 組み換え食品の場合、欧州では全ての食品に表示を義務付けているほか、欧州司法裁判所が昨年7月、ゲノム編集の品種は全て遺伝子組み換えとして規制する判断を示している。

 一方、米農務省は昨年3月、「従来の品種改良の時間短縮になり、農家に必要な品種をもたらす」とゲノム編集のメリットを強調し、「規制を行うことはない」と表明している。

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