マック赤坂氏や新左翼「中核派」の活動家・洞口朋子氏、そしてインドから帰化したよぎ氏が当選するなど、様々な候補者が話題を呼んだ統一地方選。中でも注目を集めるのが「NHKから国民を守る党」だ。
 
 政党としての主張は明快だ。代表を務める元NHK職員の立花孝志・葛飾区議の『NHKをぶっ壊す!』というオリジナルソングにもある通り、2013年の発足以来、痛烈なNHK批判を行ってきた。

 今回の統一地方選では東京23区や関西を中心に26人が当選、所属議員が13人から39人に急拡大。中には難病の全身性エリテマトーデスと闘う現役アイドルの夏目亜季氏、NHKの“お膝元“渋谷区から出馬した金子快之氏、さらにダブルで当選した二瓶文徳氏と二瓶文隆氏の親子も含まれる。

 そこで23日放送のAbemaTV『AbemaPrime』は立花代表を招き、躍進の理由や活動について話を聞いた。

■「“NHKをぶっ壊す“のポーズはインスタ映えする」
街頭演説では「NHKに金を払わない、受信料を払わない人を応援する。言い方を変えると受信料を踏み倒す人を応援する」と主張していた立花氏。

 「私は14年前にNHKの不正を内部告発し辞めて以来、ずっとNHK問題をやってきた。2009年に裁判を始めているが、立法府の判断を変えることはしないというのが司法の判断だった。そこで野田前総理や蓮舫さんの所や、大阪維新の会の橋下さんの所に“声を聞いてくれないか“と持っていった。しかし結局NHK問題はやらないということだった。しかし被害者が多く、これを救うためには何とかしないといけないということで6年前に政治団体を立ち上げた。だから選挙で当選したいからシングルイシューを作ったのでは決してない」と話す。

 また、今回の選挙について「我々は“ワンイシュー“なので、政党名で公約が分かる。だから候補者の名前を覚えて頂かなくてもいいし、投票所でもすぐわかる。1年半前から東京の選挙では葛飾、町田、立川、西東京と、全て当選してきている。インターネット選挙が始まった6年前から主張しつづけてきているが、スクランブル放送に切り替えればいいではないか、という凄くシンプルな考えが浸透してきて、この結果になったと思う。やはりNHKが嫌いだとか、見てないし受信料も払いたくない人が多く、それが政治の問題であることにも気付いて頂けたのではないか。自分に都合の悪い報道をされたくない政治家たちがNHKと癒着しているからではないかと多くの国民が思っていらっしゃるというのがこの結果だと思う」と分析。「“NHKをぶっ壊す“のポーズはインスタ映えする。子どもたちもやってくれる秋葉原でビラ配りをしたが、300人くらいの方が一緒に写真を撮ってくれた。しかし、まずNHKさんには取材されないし、サイト上で我々以外は党名を出しているのに、我々はいつも“諸派“。モラルは完全に破綻している」。

■「刑罰が無ければ違法行為をしてもいいと思っている」
 立花氏らが批判する受信料制度については、元NHK職員でアゴラ研究所所長の池田信夫氏も「欠陥がある」とし、「受信契約を義務付けてはいるが、支払わなくても罰則はないし、取り立てる場合には個別に民事訴訟を起こさないといけない。しかし年間1万円程度の受信料のためにいちいち民事訴訟をやるのは全く割に合わないので、不払いが野放しになってしまう。中途半端な制度はやめて、放送法を改正し、見てない人は払わなくていいが、見た人は払わないといけないようにすればいい。そしてお金を払わない人にはスクランブルをかけて見られないようにすれば、電気や水道と同じで誰も文句を言わない。僕は20年くらい前からBSと同じように地上波にもスクランブルをかければいいではないかと言ってきたし、NHKの会長室に呼ばれたときにも言った。そのためにB-CAS技術も開発したのに、お客さんが大幅に減るということで地上波に使わないままにしてしまった」と説明する。

「なぜこんな矛盾がずっと放置されてきたのか。それはNHKの経営問題が絡んでいる。NHKは総合以外にもEテレ、ラジオなど、採算が取れない波(電波)を持っていて、それらを受信料制度や公共放送という建前で守ってもらっている。仮に総合をCNNのような24時間の報道のチャンネルにすれば、民放のニュースを見る人がいなくなるので、NHKは儲かり過ぎて困ることになる。つまり、今のNHKの制度を守ることは民放にとっても利益がある。あるいはデジタル放送になってからは、技術的にも簡単に止められるようになったのに、まだ昔の仕組みをずっと続けている。それは矛盾を抱えた仕組みにしておいた方が、政治家が介入しやすくなるからだ。もしスクランブル放送になれば民間のペイテレビと同じようになるわけだから、国会で予算の議決をする必要もなくなる。つまり自民党の皆さんとしても、この矛盾を放置しておく方が利益になる。儲かることだけやればいいということでもないが、波を整理するという議論と、罰則の無い曖昧な受信料制度を変えさせなければいけない」。

その一方、「自分たちも受信料を払っていないことを隠さない」という立花氏らのスタンスに対し池田氏は「受信料を払わないのが違法行為だということははっきりしているのに、それを掲げて選挙に出るというのは常識的に考えておかしいのではないか。日本は法治国家。政治家になって法律を改正するということと、法律を破るということは別だ」と指摘した。

 この点について立花氏は「はっきり言う。刑罰が無ければ違法行為をしてもいいと思っている。だからこれだけ票が取れた」と断言。「もちろん違法行為であるということは我々も理解しているし、罰金とか、懲役刑がある法律を破るのはダメだと思っている。ただ、受信料を払わないことで直ちに処罰されるわけではないし、東京都では約半数が受信料を払っていない。それだけ多くの人が違法行為をしている中で、NHKは法律を盾に“金を払え“といじめている。そこで“一緒に正義や道徳を貫いていこうよ“、ということで活動をさせて頂いているということだ。自転車が歩道を走ったら違法だが、そんなに法律ってガチガチに守らないといけないのか。そもそも受信料の訴訟で訴えられた人はNHKを見ている証拠があるので、それなのに払わないのはけしからん、というのが最高裁の判決で、実はNHK側の主張も一部は棄却されている」と持論を展開した。

■「我々は壊して更地にするだけのネガティブな政党。何かを生み出すわけではない」

それでも立花氏は池田氏が提案するスクランブル放送については「産経新聞のアンケート調査では88%が賛成していた。受信料を払っている人からしたら、どうして払っていない人の分まで負担するのかということだ」と賛同、「もう一つの公共放送を作るというのも解決方法になる」とした。

 経済評論家の上念司氏は「NHK自体、純資産が7000億円以上あり、その中身はほとんど現金のような内部留保だ。つまり、“法律で決まっているから“と言って受信料を取りまくり、投資せずに現金ばかり積み重ねているということだ。放送センターを作るというが、それはこれから使う人が負担しないといけないし、借金をして建てるべきだ。そういう議論がされていない。電波オークションをやらないから、放送局が既得権を守っている。OECD加盟国は日本以外全部やっている。全部やっている」と主張した。これに対し池田氏は「電波オークションは既存の放送局には全く関係ない。新たに電波をもらうときの話しだ」と指摘した。

視聴者からは立花氏に対し「むしろNHKに寄生しているだけじゃないか。NHKを潰したその先を説明しないと、税金の無駄遣いになるではないか」「立候補者が減ったから泡沫候補が当選しやすくなっただけだ」といった意見も寄せられた。

 立花氏は地方議員として党勢を拡大しようとしている理由について「このスタジオに来る途中のタクシーの中でも“NHKの人が来て帰ってくれない。助けてください“という電話をもらった。一方、警察や消防は受信料を払っていないケースもある。そこで我々は市議や区議として警察や役所が対応できないNHK集金人に対応したり、自治体がNHKにお金を払いすぎていたり、払っていなかったりすることを議会で追及したりしている。国政進出については、“いずれは“と考えている。参議院議員選挙は10人出ないといけないので、私のことも含め、金曜日に発表する」と説明。

 また、リディラバの安部敏樹氏から「こういうシングルイシューから独裁に入っていったことも多い」と指摘されると、立花氏は「これまで主張・理念に掲げてきた“いずれは『NHK』からをはずして、『国民を守る党』にしてまいります“の部分については撤回する。ここまで党が大きくなると思わなかったし、公認した僕としても、このまま過激な思想のまま政治家でいるのは危険じゃないかと思う。我々は壊して更地にするだけのネガティブな政党。何かを生み出すわけではないし、スクランブル放送が実現されたら解党する」と話していた。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190424-00010020-abema-soci&p=4




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