東京都千代田区の皇居周辺など都内の広い範囲で2日夜、ドローン(小型無人機)のような物体が飛行しているとする目撃情報が相次ぎ、警視庁は3日、不審な機体が落下していないか捜索を実施した。皇居周辺の飛行を原則禁止したドローン規制法や、人口密集地や夜間の飛行を原則禁じた航空法に違反している疑いがあるとみて、機体の形状や操縦者の特定を急ぐ。


 捜査関係者によると、目撃情報は2日午後8時ごろの皇居周辺を皮切りに、赤坂御用地(港区)周辺などからも寄せられ、同10時半ごろまで続いた。光を点滅させながら飛行していたという。これまでに、落下などによる人的な被害は確認されていない。

同庁は目撃情報などを精査し、皇居周辺や赤坂御用地周辺で目撃された飛行物体はドローンの可能性があると判断。天皇陛下のご即位を祝う4日の一般参賀を控え、厳戒態勢を敷くとともに近隣を捜索した。

 平成から令和へと変わって間もない2日夜、皇居周辺などでドローンのような飛行物体が相次いで目撃された。首相官邸の屋上に落下した事件などを契機に法規制が進み、警察当局にはドローンの捕獲などが可能な装置が配備されたが、厳戒態勢の中で不審物体に接近された格好だ。10月に天皇、皇后両陛下がオープンカーでパレードする儀式があり、東京五輪・パラリンピックも来年に迫る中、ドローン対策の難しさが改めて浮き彫りになった。

 「ドローンじゃないか」。2日午後8時ごろ、一連の皇室関連行事の警備のため、皇居周辺を警戒していた機動隊員から声が上がった。目線の先にあったのは、光を点滅させながら移動する不審な飛行物体。同様の目撃はそれから数時間、都内の広範囲で相次いだ。「情報収集に努めている」。同時多発的に寄せられた目撃に、捜査幹部らは慌ただしくそう話した。

 ドローンの脅威が顕在化したのは平成27年4月、首相官邸の屋上に放射性物質を含む土砂を積んだドローンが落下した事件だった。同年の航空法改正で、国土交通省から許可を得た場合を除き、東京23区や空港周辺などは終日、ほかの地区も夜間の飛行が禁止された。

 翌年には首相官邸や皇居周辺などの飛行も原則禁じるドローン規制法が施行。今年9月開幕のラグビー・ワールドカップ(W杯)や、来夏の東京五輪・パラリンピックに向け、取材メディア以外の競技会場上空での飛行を禁止する同法改正の動きも進んでいる。

 こうした法整備に加え、警視庁は27年12月、網で不審機を捕獲する大型ドローンなどを装備した「無人航空機対処部隊」(IDT)を発足。さらに今年、妨害電波で飛行を不能にするジャミング(電波妨害)装置も導入し、一連の皇室関連行事でも配備した。

 しかし、不審機は目視などで確認するため、夜間は発見が難しくなるとされる。捕獲やジャミングの装置も高度、スピード、範囲などの面で限度があるとされ、警察関係者は「一定の高度にある不審機の接近を完璧に防ぐことは困難」と漏らす。

 皇居周辺を飛行したドローンのような物体は比較的短時間で飛び去ったとみられるが、警察幹部は「今回の事案を精査して課題を洗い出し、対策を検討する」と話す。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190503-00000578-san-soci


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