中国政府は1日午前0時(日本時間同1時)、年間輸入総額600億ドル(約6・6兆円)規模の米国製品に対する追加関税率を従来の最大10%から最大25%に引き上げる報復措置を発動した。31日には外国企業を念頭に「信頼できない企業リスト」を作ると発表し、個別企業に対しても圧力を強める姿勢を示した。これに対し米国は、対中制裁第4弾の準備を進めており、米中の貿易戦争が再び激化している。

トランプ米政権は5月10日、対中制裁第3弾として、2000億ドル規模の中国製品に対する追加関税率を10%から25%に引き上げ、中国政府は報復措置を予告していた。5140品目に5%、10%、20%、25%の4段階の追加関税を課す。最高税率の25%となるのは2493品目。液化天然ガス(LNG)や化粧品、木材など米国以外から輸入可能なものが多く、国内経済への打撃を最小限に抑えるための配慮と見られる。

 中国商務省が作成を決めた「信頼できない企業リスト」は、中国の権益を不当に侵害した外国企業などを掲載する方針。同省の高峰報道官は「一部外国企業は中国企業に対し、封じ込め、供給停止、差別的な措置を講じ、中国の安全と利益を脅かしている」と作成理由を説明した。具体的な措置は「近く公表する」としているが、中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)と米企業との取引を禁じた米国の制裁措置に対抗する狙いがあるとみられる。

 一方、米国は3000億ドル規模の中国製品に最大25%の追加関税を課す対中制裁第4弾について、6月中に発動に必要な国内手続きが終わる見通しだ。トランプ大統領と中国の習近平国家主席は6月末に大阪で開かれる主要20カ国・地域(G20)首脳会議に合わせて、2国間によるトップ会談を行う可能性もある。しかし、両国の通商協議は5月初旬のワシントン会合以降、停滞したままで歩み寄りは見通せない。

 中国外務省の耿爽・副報道局長は31日の定例記者会見で「米国の保護主義的な行為に対し、中国が現在取っている措置は我々の合法的な利益を守るためのものだ」と述べ、制裁には報復で応じる姿勢に変わりはないことを強調した。【北京・赤間清広】

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190531-00000110-mai-int


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