【ロンドン】プラスチックごみを巡る批判が新たな標的に向かっている。「ハッピーセット」のおもちゃだ。

 英国ではマクドナルドのハッピーセットについてくるプラスチック製おもちゃの廃止を訴える運動で32万5000人の署名が集まり、環境相も運動を後押ししている。

 ますます厳しい視線が注がれる背景には、プラスチックが環境に及ぼす影響への懸念がストローやコーヒーカップなどの使い捨て製品から、不要品あるいは使用期間が限定的とみられる製品にまで広がっていることがある。もはや廃棄物のみならず、生産活動が環境に及ぼす影響も焦点となっている。

ハッピーセットをはじめとするおもちゃの多くは、多種類のプラスチックや、プラスチックと他素材の複合材料でできているため、リサイクルできないことが多い。親たちによると、おもちゃはたいていゴミ箱に捨てられる。

 「プラスチックの袋を開けて、これまたプラスチック製のアイテムを取り出し、5分ほど遊んだらおそらくゴミ箱行きになるでしょう」。昨年終わり頃に署名運動を始めた姉妹のエラさん(10)とケイトリンさん(7)の母親、レイチェル・ウッドさんはこう語る。この運動はバーガーキングも対象にしている。

 マクドナルドのグローバル・サステナビリティ責任者イレーヌ・ストランク氏がインタビューで語ったところでは、同社は昨年、ハッピーセットのパッケージやおもちゃに関する環境上の課題を研究するグローバル作業部会を立ち上げた。この部会では、リサイクルしやすいように1種類のプラスチック材料でおもちゃを作る方法を模索しているほか、プラスチックの代わりに再生可能素材をおもちゃに使うことが可能か調査しているという。

マクドナルドは先月、英国市場で1カ月半から2カ月のあいだ、硬質プラスチック製のおもちゃの代わりに本をセットにすると発表した。今年の下半期にはぬいぐるみやボードゲームも採用する予定で、上半期に比べ硬質プラスチックの使用量は6割減る見通しだ。

 同社の広報担当者はこうした変更について、プラスチックを巡る懸念も考慮したが、本の人気などさまざまな要因に基づいているとし、署名運動の件が表面化する以前に決まったことだと述べた。

 「プラスチックへの注目を踏まえれば、今後またいろいろな対応が見られるだろう」としつつ、ハッピーセット関連のプラスチック利用を減らす長期的な確約はまだないと付け加えた。

バーガーキングの広報担当者は「おもちゃの代替品の解決策」を練っているとしたが、詳細は明かさなかった。同社はキッズミールにプラスチック製おもちゃをつけている。

 英国ではプラスチック製品を巡る懸念が特に強い。国内で実施された廃棄物の削減措置が後に他市場で導入されるケースもある。マクドナルドは昨年9月、英国とアイルランドの1361店舗でストローをプラスチック製から紙製に変更した。現在は米国などでもプラスチック製ストローの代替品を試験導入している。

 日本では母親たちを対象に調査したところ、子どもが使い終わったおもちゃをリサイクルしたいが、どうすればいいのか分からない親が多いことが分かった。そこで昨年、10週間の実験期間中に国内の2900店舗に回収ボックスを設置し、プラスチック製のおもちゃ127万個を回収。集まったおもちゃは店舗で使用するトレーに再生された。前出のサステナビリティ責任者のストランク氏は、こうした取り組みを拡大し、恒久化する方法を調査中だと述べた。

テレーズ・コフィー英環境相は昨年、マクドナルドに対しハッピーセットのプラスチック製おもちゃを廃止するよう公に呼び掛け、同社担当者とも面会した。コフィー氏は先週、WSJの取材に対し、どんな小さな一押しでも役に立つと述べた。

 プラスチック製おもちゃの取り扱い中止を企業に求める署名運動は過去にもさまざまな国で起きたが、大きな進展を遂げることはなかった。

 ウッドさんは姉妹の署名運動が大きな関心を呼んだことについて、プラスチックごみについて意識が高まっているためだとし、「人々が突然気付き始めた時期に重なった」と話した。

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