韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が、常軌を逸した対日批判を展開した。日本政府による半導体素材などの輸出管理強化について、韓国よりも日本経済への被害が大きいなどと「恫喝(どうかつ)的発言」を行ったのだ。だが、「韓国の被害の方が甚大」とみる分析が過半数を占めている。日本の措置の背景についても、いわゆる「元徴用工」の異常判決をめぐる韓国政府の無策が原因との指摘も相次いでいる。日本政府はすべて折り込み済みで、まったく動じない。「現状無視」「責任回避」といえる文政権の姿勢には、今後も批判は続くとみられ、文氏は窮地に追い詰められそうだ。

 「結局は日本経済に大きな被害が及ぶことを警告しておく」「半世紀にわたって積み重ねてきた韓日経済協力の枠組みを壊すものだ」「(わが国への)重大な挑発だ」

 文氏は15日、大統領府での会議で、こう述べた。日本への“経済的宣戦布告”ともいえる狂気の発言だ。

 日本政府は今月4日、テレビやスマートフォンの有機ELディスプレー部分に使われる「フッ化ポリイミド」と、半導体の製造過程で不可欠な「レジスト」と「エッチングガス(高純度フッ化水素)」の計3品目について輸出管理を強化した。

 韓国の輸出管理に疑わしい事案が続いたため、「安全保障上の運用見直し」を行っただけであり、当然の措置だ。韓国産業通商資源省も10日、2015年から今年3月にかけて、軍事転用可能な戦略物資の不正輸出摘発が計156件に上ったことを発表しているではないか。

 ところが、文政権は対抗措置を検討しているという。

 聯合ニュース(日本語版)は14日、韓国政府が「相応の措置」で対抗する方針と報じ、具体的に「主要品目の対日輸出制限」や、「日本製品に高関税をかける」「韓国も『ホワイト国』の指定から日本を外す」などと記している。

 必要以上に日本に厳しい姿勢を取ることで国民の支持を集めてきた文政権としては、引くに引けなくなっているようだ。

 だが、韓国にも冷静に事態を分析する団体やメディアがある。

 中央日報(同)は15日、韓国・全国経済人連合会が、日本の交易・投資企業家、証券会社アナリスト、学界など通商専門家50人を対象に実施したアンケートの結果を報じた。それによると、日本の輸出制裁が長期化する場合を仮定した質問に対し、62%が「韓国がより大きい被害を受けるだろう」と回答し、「日本がより大きい被害を受けるだろう」(12%)より5倍以上も多かったのだ。

 全経連のオム・チソン国際協力室長は「輸出の統制が長期化する場合、他の産業素材にも輸出制裁が続く可能性がある」とコメントしている。

 朝鮮日報(同)も15日の社説で、「日本の報復まで招いた今の韓日対立は、強制徴用被害者への賠償判決から始まった外交問題だ」と指摘し、「『三権分立』を口実に8カ月にわたり韓国政府が事態を放置した結果、問題はここまで大きくなった」と文政権の対応を批判した。

 経済へのダメージが必至とみる韓国は、お得意の「告げ口外交」で、日本を「悪者」にしようとしているが、日本政府はまったく動じていない。

 韓国政府は、ドナルド・トランプ政権に日本との仲裁を求めようとしたが、米国は「静観」姿勢を維持している。そもそも、安倍晋三政権は大阪でのG20(20カ国・地域)首脳会合前、米国に輸出管理見直しについて伝達したとされており、韓国の策謀は水泡に帰している。

 こうしたなか、日本の一部野党は、「政治的問題に通商的な対抗措置を取ったと国際社会から見られるのは国益上マイナスだ」(立憲民主党の福山哲郎幹事長)、「政治的紛争の解決に貿易問題を使うのは禁じ手だ」(共産党の小池晃書記局長)などと、安倍政権批判を強めている。

 前述したように、今回の措置は韓国側の輸出管理不備が原因である。参院選の最中とはいえ、有権者の理解を得られるのか。

 朝鮮近現代史研究所所長の松木國俊氏は「文氏は経済がまったく分かっていない。あきれてものが言えない。日本は、韓国以外の国に半導体素材を売ればいい。文氏が強気の発言をしたのは、日本の左派野党などの批判を勘違いしている面もある。『強気に出れば、日本が腰砕けになるだろう』と思っているのではないか。今回の件は、左派野党が日本の国益を考えない『媚韓勢力』であることを浮き彫りにした面もある」と話した。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190717-00000010-ykf-int


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