<いつも歴史を自慢する中国人だが、2000年以上続く日本の皇室と元号が羨ましい>

平成から令和へ。日本の改元で一番騒いだのはもちろん日本人だが、中国人も実はかなり大騒ぎした。

新元号の発表前、その予想が中国のSNS上でも話題になった。日本人は漢字の「和」が好きだし、永遠の平和を願う意味の元号がいい、という中国メディアの記事を読んで、次の元号がもし「永和」だったら困るね、とある中国人ユーザーが投稿した。「永和」は中国のどこでも見掛ける有名な飲食チェーン店で、看板メニューは「永和豆乳」。もし永和なら、中国人はいつも日本の元号を聞くたび豆乳を連想してしまう!

幸い、新元号は「永和」ではなく「令和」になったが、騒ぎは続いた。「令和」の日本語の発音はなんだ? とみんながSNSで好奇心から質問すると、すぐに「累娃(leiwa)だよ!累娃!」と、日本語に堪能な人が発音の当て字を教えた。「累」は疲れた、「娃」は子供の意味。発音の当て字で特に意味はないが、すぐにSNS上では菅義偉官房長官の新元号発表写真が加工されて、額縁に収められた文字が「累娃」に変わった。

中国人が日本の改元にこれほど大騒ぎしたのは、やはり中国が元号と漢字の発祥国だからだろう。ただし1911年の辛亥革命で、最後の元号「宣統」は大清帝国と共に滅亡。その後の中華民国で1912年は「民国元年」に変わった。これは台湾でまだ使われており、今年は民国108年。1949年に成立した中華人民共和国では西暦だけが使われている。

いつも歴史を自慢する中国人だが、2000年以上続く日本の皇室と元号が羨ましい。中国には日本の皇室のような「生きる歴史」もなく、元号の伝統を守り続けている国は自国ではなく日本。そして、元号の伝統や文化を捨てても、中央集権的な支配体制だけは1000年前とほとんど変わらないまま残している。全く隣国の日本と正反対だ。こうやって比べてみると、中国人は誰もひとことでは言い表せない気持ちになる。

その複雑な気持ちからこんな皮肉がネット上で生まれた。「実は今の中国にも元号がある。慶豊という元号だ。つまり、今の中国は慶豊時代なんだ」。慶豊は北京の肉まん店「慶豊包子鋪」のこと。この店で庶民にアピールするため肉まんを食べた習近平(シー・チンピン)国家主席に対する暗喩である。

【ポイント】
宣統
清朝最後の皇帝である愛新覚羅溥儀の時代(1909~1911年)に使われた元号。溥儀は1931年の満州事変後、日本軍部の力で満州国皇帝になった。

慶豊包子鋪
1948年創業の肉まんチェーン店。習近平が13年12月、北京の店舗を突然訪問し肉まんを食べたことが大ニュースになった。

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190803-00010003-newsweek-int&pos=2


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